設置スペース

タンク本体を置く場所だけでなく、周辺施設との距離、敷地内で必要となる距離、保有空地、構内道路まで含めて、必要な広さを見ていきます。
屋外タンクの設置では、必要なスペース、人員体制、設置後の点検・維持管理を、導入前に確認しておく必要があります。
このページでは、消防法令上の「屋外タンク貯蔵所」を主な対象に、3つのポイントを説明します。


タンク本体を置く場所だけでなく、周辺施設との距離、敷地内で必要となる距離、保有空地、構内道路まで含めて、必要な広さを見ていきます。

危険物を取り扱うための資格要件と、設置後の保安管理を担う人員体制を取り上げます。

法令上の定期点検の対象となるかを見分けるとともに、日常点検、補修、塗装、設備保守など、設置後に続く維持管理の内容を説明します。
屋外タンクの設置には、タンク本体と防油堤を置く面積だけでなく、周辺施設や敷地境界線との距離、タンク周囲の空地、消防活動に必要な道路又は空地も関係します。
さらに、危険物を取り扱う資格者や保安管理を担う人員、設置後の点検・維持管理も、導入前に把握しておく必要があります。
まずは、全体図と一覧表で主な項目を見ていきます。
必要設置直径Aは、タンク外径とタンク周囲に必要な空地を含む設置範囲の直径です。敷地内距離Bは、屋外貯蔵タンクの外面から敷地境界線までの距離です。型式ごとの数値は、上の全体図と対応しています。
| 型式 | 実容量 (ℓ) | 防油堤外形寸法 巾=奥行 (mm) | 必要設置直径 A (mm)※1 | 敷地内距離 B (mm)※2 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 灯油・軽油 | 重油(引火点70℃以上を想定)※5 | 灯油・軽油 | 重油(引火点70℃以上を想定)※5 | |||
| HSOT-1 | 980 | 2,500 | ※3 2,937 | ※3 2,937 | ※4 | ※4 |
| HSOT-1.8 | 1,800 | 3,100 | 7,167 | ※3 3,167 | 2,083 | ※4 |
| HSOT-2 | 1,980 | 3,100 | 7,167 | ※3 3,167 | 2,254 | ※4 |
| HSOT-3 | 3,000 | 3,400 | 7,407 | 7,407 | 2,354 | 2,354 |
| HSOT-4 | 4,000 | 3,800 | 7,507 | 7,507 | 2,754 | 2,754 |
| HSOT-5 | 5,000 | 4,050 | 7,609 | 7,609 | 2,955 | 2,955 |
| HSOT-6 | 6,000 | 4,200 | 7,749 | 7,749 | 2,995 | 2,995 |
| HSOT-8 | 8,000 | 4,600 | 7,909 | 7,909 | 3,305 | 3,305 |
| HSOT-10 | 9,800 | 5,000 | 7,949 | 7,949 | 3,905 | 3,905 |
| HSOT-12 | 12,000 | 5,200 | 8,193 | 8,193 | 3,755 | 3,755 |
| HSOT-15 | 15,000 | 5,500 | 8,429 | 8,429 | 3,887 | 3,805 |
| HSOT-16 | 16,000 | 5,600 | 8,429 | 8,429 | 3,955 | 3,955 |
| HSOT-18 | 18,000 | 5,900 | 8,429 | 8,429 | 4,455 | 4,455 |
| HSOT-20 | 19,800 | 6,100 | 8,429 | 8,429 | 4,796 | 4,796 |
| HSOT-22 | 22,000 | 6,100 | 8,724 | 8,724 | 4,359 | 4,306 |
| HSOT-25 | 25,000 | 6,400 | 8,724 | 8,724 | 4,806 | 4,806 |
| HSOT-28 | 28,000 | 6,800 | 8,724 | 8,724 | 5,356 | 5,356 |
| HSOT-30 | 30,000 | 6,900 | 8,909 | 8,909 | 5,256 | 5,256 |
※1 必要設置直径A=タンク外径+3,000mm×2 3,000mmは、タンク外面から確保する保有空地です。右図をご参照ください。
※2 敷地内距離Bの算定方法および適用条件は、このページ内の「敷地内距離」で詳しく説明します。
※3 少量危険物として取り扱う場合の初期検討用の参考値です。 必要設置直径A=タンク外径+1,000mm×2として算出しています。1,000mmはタンク外面からの想定空地であり、実際に必要な空地は、自治体の火災予防条例等により異なります。
※4 少量危険物として取り扱う場合は、消防法令上の屋外タンク貯蔵所に適用される敷地内距離Bの対象外です。 ただし、自治体の火災予防条例等による設置位置や空地の基準は、別途確認が必要です。
※5 重油欄の敷地内距離Bは、引火点70℃以上を想定し、危政令第11条第1項第1号の2の一般基準により算出した初期検討用の参考値です。 実際の引火点が70℃未満の場合は、この表のB寸法を使用できません。消防法上の品名、引火点及び貯蔵・取扱温度をSDS等で確認し、引火点区分に応じて再計算してください。高引火点危険物の特例は反映していません。
※上の表は、設置を初期検討するための概要です。適用条件、例外、特例、距離の測定方法、自治体の審査基準などは、各項目の詳細説明で示します。
実際の配置や必要な設備を確定する前に、設置場所を管轄する消防本部・消防署へ相談してください。
ここからは、保安距離、敷地内距離、保有空地、構内道路、法定定期点検、危険物取扱者および危険物保安監督者について詳しく説明します。
屋外タンク貯蔵所には、貯蔵する危険物、指定数量の倍数、タンク容量などによって異なる基準があります。このページでは、条件の異なる基準や制度が混在しないよう、詳しい説明の対象を次の範囲に絞っています。
| 説明する項目 | このページで対象とする範囲 |
|---|---|
| 保安距離、敷地内距離、保有空地、構内道路、危険物取扱者・危険物保安監督者 | 指定数量の倍数が1倍以上500倍以下、タンク容量が100kL以下、高引火点危険物を除く屋外タンク貯蔵所 |
| 法定定期点検 | 第4類危険物のうち、特殊引火物、第1石油類及びアルコール類を除く危険物を貯蔵する、タンク容量100kL以下の屋外タンク貯蔵所 |
高引火点危険物とは、引火点100℃以上の第4類危険物をいいます。高引火点危険物の特例は、原則として、高引火点危険物のみを100℃未満の温度で貯蔵し、又は取り扱う屋外タンク貯蔵所について、各特例条項の条件を満たす場合に適用されます。
法定定期点検の説明では、特殊引火物、第1石油類及びアルコール類を対象に含めません。対象を限定する理由と、法定定期点検の対象外であっても必要となる点検・維持管理については、該当する項目で説明します。
100kL以下という区切りは、このページで詳しく説明する範囲を明確にするためのものです。100kLを超える屋外タンクが設置できないという意味ではありません。
このページで取り上げない容量や危険物についても、消防法令上の基準が適用されます。条件によって別の技術基準、点検制度または手続が関係するため、個別に確認する必要があります。
| 法令の正式名称 | このページでの表記 |
|---|---|
| 危険物の規制に関する政令 | 危政令 |
| 危険物の規制に関する規則 | 危規則 |
| 危険物の規制に関する技術上の基準の細目を定める告示 | 危告示 |
消防法は略さず、「消防法」と表記します。
詳しい説明では、全国共通の消防法令、自治体の審査基準、実務上の参考となる考え方、所轄消防の個別判断を区別して記載します。
同じ容量や危険物であっても、設置場所、施設の構造、周辺施設、自治体の審査基準などによって必要な条件が異なる場合があります。
計画を確定する前に、設置場所を管轄する消防本部・消防署へ相談してください。
屋外貯蔵タンクと周辺施設との間に必要な距離
屋外貯蔵タンクを設置するときは、火災などによる影響が周囲の建物や施設へ及ばないよう、法令で定める対象物との間に一定の距離を確保する必要があります。
この距離を「保安距離」といいます。
保安距離は、原則として、屋外貯蔵タンクの外面から、対象となる建築物、工作物又は施設の最も近い外側部分までを測ります。
特別高圧架空電線については、屋外貯蔵タンクと電線との水平距離を測ります。
学校や病院などについては、その施設の敷地境界線までではなく、法令上対象となる建築物等の外側までの距離が基準となります。
ただし、対象施設の構造や配置によって測定位置の判断が必要となる場合があります。配置図を作成する段階で、所轄消防と測定起点・終点をすり合わせる必要があります。
(根拠:危政令第11条第1項第1号、危政令第9条第1項第1号)
保安距離の測定位置
建築物・施設等との保安距離
保有空地
(保安距離とは別の基準)
タンクの外面
敷地境界線
保安距離の終点ではありません
対象となる
建築物・施設等
最も近い外側部分
敷地内距離
(保安距離とは別の基準)
特別高圧架空電線との距離
特別高圧
架空電線
タンクと電線との
水平方向の距離を測ります
概念図・縮尺なし
この図は、保安距離の基本的な測定位置を示した概念図です。対象施設の構造や配置によって測定位置の判断が必要となる場合があるため、配置図を作成する段階で、所轄消防と測定起点・終点をすり合わせてください。
| 対象となる建物・施設等 | 必要な保安距離 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 特別高圧架空電線 (使用電圧7,000V超35,000V以下) | 水平距離 3m以上 | 屋外貯蔵タンクと電線との水平距離を測る |
| 特別高圧架空電線 (使用電圧35,000V超) | 水平距離 5m以上 | 屋外貯蔵タンクと電線との水平距離を測る |
| 同一敷地外にある住居 | 10m以上 | 同一敷地内にある住居は、この10m基準の対象外 |
| 危規則第12条で定める高圧ガス・液化石油ガス等の施設 | 原則20m以上 特例あり | |
| 危規則第11条で定める学校、病院、劇場、一定の福祉・介護施設等 | 30m以上 | 施設の法令上の区分や収容人数によって対象となるかを判断する |
| 法令に基づき指定・認定された重要文化財等の建造物 | 50m以上 | 古い建物や歴史的な建物のすべてが対象になるわけではない |
一般の屋外タンク貯蔵所では、不活性ガスのみを貯蔵し、又は取り扱う施設であることだけを理由に、20mの保安距離の対象外とはなりません。危規則第12条第1項各号への該当性を、施設の用途、処理能力、貯蔵量及び許可・届出・登録等の状況により確認します。
(根拠:危政令第11条第1項第1号、危政令第9条第1項第1号、危規則第11条・第12条)
「学校」「病院」「劇場」などの名称が付いていれば、すべて一律に30mの対象となるわけではありません。
危規則第11条に掲げる施設区分と、施設によっては収容できる人数をもとに判断します。
主な対象は次のとおりです。
幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、高等専門学校
幼保連携型認定こども園
医療法に規定する病院
劇場、映画館、演芸場、公会堂などで、300人以上を収容できる施設
児童福祉施設、老人福祉施設、有料老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、障害者支援施設など、危規則第11条で定める施設で20人以上を収容できるもの
施設名だけで対象かどうかを決めることはできません。根拠となる法律上の区分、施設の用途、収容人数などを調べる必要があります。
(根拠:危規則第11条)
住居については、屋外タンク貯蔵所と同一の敷地内にあるものは、10mの保安距離の対象から除かれます。
一方、学校、病院、劇場、一定の福祉・介護施設、文化財、高圧ガス等の施設、特別高圧架空電線には、住居のように、同一敷地内にあることだけを理由とした一律の除外規定はありません。
そのため、学校や病院の敷地内に屋外貯蔵タンクを設置する場合や、同じ工場敷地内に危規則第12条で定める高圧ガス施設がある場合も、原則として保安距離の対象になります。
ただし、高圧ガス等の施設に付属する配管のうち、屋外タンク貯蔵所と同一敷地内にあるものは、危規則第12条による保安距離の対象から除かれます。
(根拠:危政令第9条第1項第1号、危政令第11条第1項第1号、危規則第11条・第12条)
高圧ガスや液化石油ガスを使用している設備のすべてが、一律に20mの対象となるわけではありません。
対象となるのは、危規則第12条第1項各号に掲げる施設です。
主な例として、次のような施設があります。
高圧ガス保安法上の一定の製造施設又は貯蔵所
届出の対象となる液化酸素の消費施設
300kg以上の貯蔵施設を有するLPガス販売所
法令で定める一定の水素等の製造所又は貯蔵所
実際の設備が対象となるかどうかは、設備の用途、処理能力、貯蔵量、許可・届出・登録等の状況を法令と照合して判断します。
一般の屋外タンク貯蔵所では、不活性ガスのみを貯蔵し、又は取り扱う施設であることだけを理由に、20mの保安距離の対象外とはなりません。危規則第12条第1項各号への該当性を、施設の用途、処理能力、貯蔵量及び許可・届出・登録等の状況により確認します。
(根拠:危規則第12条第1項)
50mの保安距離の対象となるのは、古い建物や歴史的な建物のすべてではありません。
文化財保護法の規定により重要文化財、重要有形民俗文化財、史跡若しくは重要な文化財として指定された建造物、又は旧重要美術品等の保存に関する法律により重要美術品として認定された建造物が対象となります。
対象となるかどうかは、建物の名称や外観ではなく、どの法律や制度に基づく指定・認定を受けているかによって判断します。
(根拠:危政令第9条第1項第1号ハ、危政令第11条第1項第1号)
次の保安物件については、法令で定める不燃材料(ガラスを除く)で造った防火上有効な塀を設けるなどの措置を講じ、市町村長等が安全であると認めた場合、市町村長等が定める距離を保安距離とすることができます。
同一敷地外にある住居
学校、病院、劇場、一定の福祉・介護施設等
法令に基づき指定・認定された重要文化財等の建造物
防火上有効な塀を設けるだけで、自動的に保安距離を短くできるものではありません。塀の位置、高さ、構造、対象となる保安物件との位置関係などを示し、市町村長等の判断を受ける必要があります。配置を確定する前に、所轄消防へ相談してください。
(根拠:危政令第9条第1項第1号ただし書、危政令第11条第1項第1号、危規則第10条)
高圧ガス等の施設との保安距離は、原則として20m以上です。
ただし、耐火構造の塀を設けるなどの防火上有効な措置を講じ、危告示で定める安全上の要件を満たす場合は、20mに代えて、その要件を満たす距離を保安距離とすることができます。
この特例では、次の両方を評価します。
屋外タンク貯蔵所で火災が発生した場合
高圧ガス等の施設が放射熱によって燃焼・損傷せず、安全装置や消火設備等の機能に支障が生じないこと
高圧ガス等の施設で火災又は爆発が発生した場合
屋外タンク貯蔵所が放射熱や爆風圧によって燃焼・損傷せず、保安設備の機能や危険物の温度・圧力に支障が生じないこと
設備の配置、防火措置、放射熱、爆風圧、保安設備等の個別評価が必要となるため、特例が適用されることを前提にタンクの位置を決めることはできません。
計画の早い段階で、配置図、設備仕様、防火措置の内容などを用意し、所轄消防へ相談する必要があります。
(根拠:危規則第12条第2項、危告示第2条の3。運用上の留意事項:令和8年4月3日付け消防危第63号)
保安物件に該当するかどうか、距離を測る位置、防火上有効な塀等による距離の短縮、高圧ガス施設等との特例の適用は、設置場所と周辺施設の状況によって判断が異なります。
図面上で基準距離を確保できていても、それだけで設置可能と決まるものではありません。
タンクの位置を確定する前に、次の内容が分かる配置図を用意してください。
屋外貯蔵タンクの位置と外形寸法
敷地境界線
周辺の建物、工作物及び施設
特別高圧架空電線の位置
高圧ガス等の設備と配管
保安距離の測定起点と終点
防火上有効な塀等を設ける場合は、その位置、高さ及び構造
これらの資料をもとに、設置場所を管轄する消防本部・消防署へ相談してください。
相談先:設置場所を管轄する消防本部・消防署
引火点を有する液体危険物を貯蔵し、又は取り扱う屋外タンク貯蔵所では、屋外貯蔵タンクと敷地境界線との間に、一定の水平距離を確保する必要があります。
この距離を「敷地内距離」といいます。
敷地内距離は、貯蔵する危険物の引火点と、タンクの水平断面の最大直径等及び高さをもとに算定します。
(根拠:危政令第11条第1項第1号の2)
敷地内距離は、タンクの水平断面の最大直径等に、引火点ごとの係数を乗じた数値と、タンクの高さを比較し、大きい方以上とします。
| 貯蔵する危険物の引火点 | 最大直径等を用いた算定値 | 比較する数値 | 必要な敷地内距離 |
|---|---|---|---|
| 21℃未満 | 最大直径等×1.8 | タンクの高さ | 左の算定値とタンクの高さのうち、大きい方以上 |
| 21℃以上70℃未満 | 最大直径等×1.6 | タンクの高さ | 左の算定値とタンクの高さのうち、大きい方以上 |
| 70℃以上 | 最大直径等×1.0 | タンクの高さ | 最大直径等とタンクの高さのうち、大きい方以上 |
※70℃以上の区分について、このページでは高引火点危険物を除くため、引火点100℃未満の危険物を取り上げます。高引火点危険物の特例を検討する場合は、SDSで引火点を確認するとともに、貯蔵・取扱温度等の適用条件を確認する必要があります。
(根拠:危政令第11条第1項第1号の2)
敷地内距離は、次の順番で算定します。
敷地内距離は、タンク容量だけで決まるものではありません。
同じ容量のタンクでも、タンクの形状、外形寸法、貯蔵する危険物の引火点によって、必要な距離が変わります。
算定に使用する「最大直径等」は、タンク形状によって見方が異なります。
| タンク形状 | 算定に使用する最大直径等 |
|---|---|
| 縦置円筒形タンク | タンクの水平断面の最大直径D |
| 横置円筒形タンク | タンクの横の長さL |
| 角形タンクその他の形状 | 水平断面の最大直径等に当たる寸法を、タンク平面図から特定する |
縦置円筒形タンクでは、円形となる水平断面の最大直径Dを用います。
横置円筒形タンクでは、法令上の「横の長さ」に当たるL寸法を用います。
角形タンクや特殊な形状のタンクでは、長辺、対角寸法その他のどの寸法を「水平断面の最大直径等」とするかを、外形図及び平面図で明確にする必要があります。一律に判断せず、配置計画の段階で所轄消防と寸法の取り方をすり合わせます。
タンクの高さHについても、タンク図面に記載された高さ寸法を用います。基準面、屋根、支持部その他の部分をどこまで含めるかは、タンク形状と所轄消防の審査基準に基づいて扱います。
灯油や軽油は、一般に引火点21℃以上70℃未満の区分に該当します。
この場合は、次の二つの数値を比較します。
最大直径等×1.6
タンクの高さ
大きい方の数値が、必要な敷地内距離となります。
ただし、同じ「灯油」「軽油」という名称でも、製品によって引火点が異なる場合があります。実際に貯蔵する製品のSDSに記載された引火点を用いて区分します。
(根拠:危政令第11条第1項第1号の2)
敷地内距離は、屋外貯蔵タンクの側板と、当該屋外タンク貯蔵所の存する敷地の境界線との間を水平に測ります。
タンクと敷地境界線との間に、防油堤、配管、ポンプ設備その他の施設がある場合でも、敷地内距離は屋外貯蔵タンクと、当該屋外タンク貯蔵所の存する敷地の境界線との関係で測ります。具体的にどの境界線を基準とするかは、配置図及び土地利用関係を示して所轄消防と確認してください。
マンホール、保温材、外装材その他の突出部を測定に含めるかについては、自治体の審査基準によって取扱いが異なる場合があります。
そのため、タンク外形図に次の位置を記載し、測定起点を所轄消防とすり合わせます。
根拠:危政令第11条第1項第1号の2、危規則第19条の2、危告示第4条の2の4。
測定起点、突出部、防火塀等の具体的な取扱いは、設置場所を管轄する消防本部の現行審査基準を確認してください。
敷地内距離と保有空地は、どちらも屋外貯蔵タンクの周囲に関係する距離ですが、目的と測る範囲が異なります。
| 項目 | 敷地内距離 | 保有空地 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 隣接敷地への延焼や、敷地外への影響を抑える | 延焼防止、点検、消防活動等に必要な空地を確保する |
| 距離の対象 | 屋外貯蔵タンクから敷地境界線まで | 屋外貯蔵タンクの周囲 |
| 算定方法 | 引火点、最大直径等及び高さによって算定 | 指定数量の倍数等によって必要幅を判断 |
| 空地としての取扱い | 距離の全範囲を空地にすることを直接求める基準ではない | 原則として所定の幅の空地を確保する |
敷地内距離を確保していても、それだけで保有空地を満たしたことにはなりません。
敷地内距離と保有空地は、それぞれ別に算定し、配置図上で重ねて確認します。
基準どおりの敷地内距離を確保できない場合でも、次のいずれかの事情があり、市町村長等が安全であると認めたときは、市町村長等が定めた距離を敷地内距離とすることができます。
(根拠:危政令第11条第1項第1号の2ただし書、危規則第19条の2)
消防庁通知では、主な例として次のものが示されています。
ただし、これらが隣接しているだけで、自動的に敷地内距離を短くできるものではありません。
危険物の性状及び数量、敷地との位置関係、周辺の利用状況などを踏まえ、市町村長等が個別に定める距離となります。
危告示では、主に次の施設が定められています。
事業所の敷地については、法令で定める保安物件が存在しないことや、現に対象事業の用に供されていることなどの条件があります。
道路についても、工業専用地域内にある一般道路のすべてが対象になるわけではありません。
(根拠:危告示第4条の2の4)
防火上有効な塀や水幕設備は、単に敷地境界線に設置すればよいものではありません。
タンク火災を想定し、次の内容を踏まえて防護範囲を定めます。
具体的な構造と防護範囲は、消防庁の運用基準及び所轄消防の審査基準に基づいて決めます。
(根拠:危規則第19条の2)
公園、緑地又は一般道路が隣接していることだけを理由に、敷地内距離の特例が自動的に適用されるものではありません。
危告示で定める施設に該当しない場合は、防火上有効な塀、水幕設備その他の措置が必要となることがあります。
隣接地の名称だけで判断せず、土地の法令上の区分、用途、管理状況及び避難経路などを示して、所轄消防へ相談してください。
敷地内距離を算定する際は、次の資料を用意します。
これらの資料をもとに、引火点区分、最大直径等、高さ、測定起点及び必要距離を図面上で整理します。
図面上で算定した距離を確保できていても、測定起点や特例の適用を含めて設置可能と決まるものではありません。
タンクの位置を確定する前に、設置場所を管轄する消防本部・消防署へ相談してください。
(相談先:設置場所を管轄する消防本部・消防署)
屋外タンク貯蔵所では、火災の延焼防止、消火活動、点検作業などに必要な空間として、屋外貯蔵タンクの周囲に一定の幅の空地を確保します。
この空地を「保有空地」といいます。
ここで取り上げる指定数量の倍数が500倍以下の屋外タンク貯蔵所では、原則として、屋外貯蔵タンクの周囲に3m以上の保有空地が必要です。
(根拠:危政令第11条第1項第2号)
| 指定数量の倍数 | 必要な保有空地の幅 |
|---|---|
| 1倍以上500倍以下 | 原則として3m以上 |
3m以上の空地は、タンクの一方向だけではなく、原則として屋外貯蔵タンクの周囲に確保します。
指定数量の倍数が500倍を超える場合は、別の幅が定められていますが、このページでは取り上げません。
(根拠:危政令第11条第1項第2号)
指定数量の倍数は、貯蔵する危険物の数量を、その危険物に定められた指定数量で割って求めます。
指定数量の倍数=貯蔵数量÷指定数量
例えば、灯油を10,000L貯蔵する場合は、次の計算になります。
10,000L÷1,000L=10倍
この場合、指定数量の倍数は10倍となるため、必要な保有空地は原則として3m以上です。
複数の品名又は指定数量の異なる危険物を同一の場所で貯蔵し、又は取り扱う場合は、それぞれの危険物について求めた倍数を合計します。
複数の危険物を扱う場合の倍数=各危険物の倍数の合計
例として、同一の場所で次の危険物を扱う場合は、個別に求めた倍数を合算します。
(根拠:消防法第10条第2項、危政令第1条の11、危政令別表第3)
危政令では、屋外貯蔵タンクの周囲に保有空地を設けることが定められています。
実際の審査では、タンク本体の側板を測定起点とする例や、保温材等で覆われている場合は、その外側を測定起点とする自治体審査基準があります。
縦置円筒形タンク、横置円筒形タンクのいずれも、基本的にはタンク本体の周囲から外側へ水平に測ります。
ただし、マンホール、ノズル、保温材、外装材、附属配管その他の突出部を測定に含めるかは、タンクの構造や自治体の審査基準によって取扱いが異なる場合があります。
配置図とタンク外形図には、次の位置を記載します。
これらを図面上に示し、配置計画の段階で測定起点を所轄消防とすり合わせます。
(全国共通の根拠:危政令第11条第1項第2号。測定上の取扱い:各消防本部の屋外タンク貯蔵所に関する審査基準)
保有空地は、単に未使用の場所であればよいものではありません。
延焼防止、消防活動及び点検作業に支障が生じない状態を保つ必要があるため、その屋外タンク貯蔵所と関係のない建築物、工作物、資材、車両などを設置したり、継続的に置いたりすることを前提にはできません。
保有空地内の設備は、次のように分けて考えます。
| 区分 | 主な例 | 取扱い |
|---|---|---|
| 屋外タンク貯蔵所に必要な設備 | 当該タンクの防油堤、附属配管など | 保有空地としての機能を妨げない範囲で設けられる場合がある |
| 条件を個別に調べる設備 | ポンプ設備、配管支持物、給排水管、他施設の配管など | 用途、位置、構造、防火措置及び消防活動への影響を所轄消防とすり合わせる |
| 原則として兼用を前提にしないもの | 駐車場、資材置場、常時使用する車両通路、関係のない建築物・工作物 | 保有空地としての機能を損なうため、当初計画から除外して考える |
保有空地内へ設備を設けられるかどうかは、その設備がタンクに附属するものかという点だけでなく、消防活動、点検、延焼防止及び漏えい時の対応を妨げないかによって判断されます。
配管やポンプ設備を配置する場合は、その用途、支持方法、離隔、耐火措置、散水設備等の内容を配置図に示す必要があります。
(全国共通の根拠:危政令第11条第1項第2号。実務上の取扱い:消防庁通知及び各消防本部の審査基準)
保有空地3mは、タンクから防油堤まで3m離すという意味ではありません。
保有空地は屋外貯蔵タンクの周囲に設ける空地であり、防油堤は、タンクから漏れた危険物が施設外へ流出することを防ぐ設備です。
その屋外タンク貯蔵所に必要な防油堤は、当該タンクの保有空地内に設けられる取扱いがあります。
一方、タンク本体と防油堤との間に必要となる距離や、防油堤の容量、構造及び配置は、保有空地とは別の基準で判断します。
したがって、配置計画では次の範囲を一つの図面に重ねて整理します。
保有空地、防油堤及び敷地内距離は、それぞれ目的と測定範囲が異なるため、単純に同じ距離として扱うことはできません。
(根拠:危政令第11条第1項第2号・第15号、危規則第22条。実務上の取扱い:各消防本部の審査基準)
| 項目 | 保有空地 | 敷地内距離 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 延焼防止、消防活動、点検等に必要な空地を確保する | 隣接敷地への延焼や敷地外への影響を抑える |
| 距離の対象 | 屋外貯蔵タンクの周囲 | 屋外貯蔵タンクから敷地境界線まで |
| 必要幅の決め方 | 指定数量の倍数等による | 危険物の引火点、最大直径等及び高さによる |
| 空地としての取扱い | 原則として所定の幅の空地を保つ | 距離の全範囲を空地にすることを直接求める基準ではない |
保有空地を確保していても、それだけで敷地内距離を満たしたことにはなりません。
二つの距離は別々に算定し、配置図上で重ねて見ます。
保有空地には、一定の防火措置等を設ける場合の特例があります。
保有空地を確保できない部分に、耐火構造の塀の設置その他の防火上有効な措置を講じるとともに、延焼防止上有効に冷却するための散水設備等を設け、危告示で定める要件を満たす場合は、その要件を満たす範囲で保有空地の幅を減ずることができます。
防油堤を周囲に設けない屋外貯蔵タンク又は危規則第22条第2項第5号ただし書に該当する屋外貯蔵タンクでは、これらに加えて、所定の消防活動のための空地を保有する必要があります。
また、同じ防火措置及び危告示で定める要件を満たす場合には、保有空地を保有しないことができる規定もあります。
(根拠:危政令第11条第1項第2号ただし書、危規則第15条第2項・第3項、危告示第4条の2の2の2)
屋外タンク貯蔵所の特例では、次の両方向から安全性を評価します。
耐火構造の塀や散水設備を設置するだけで、自動的に3mの保有空地を短縮又は省略できるものではありません。
次の内容を図面、設備仕様及び計算資料等で示し、特例の要件に適合するかを審査します。
特例の適用を前提にタンクの位置を決めず、計画の早い段階で所轄消防へ相談する必要があります。
(根拠:危政令第11条第1項第2号ただし書ロ、危規則第15条第1項、第2項第2号及び第3項、危告示第4条の2の2の2。運用上の留意事項:令和8年4月3日付け消防危第63号)
引火点70℃以上の第4類危険物を貯蔵し、又は取り扱う屋外タンク貯蔵所を同一敷地内で隣接して設置する場合は、タンク相互間の保有空地を、法令で定める範囲まで減じられる規定があります。
ただし、その場合でも保有空地を3m未満にすることはできません。
このページで取り上げる指定数量の倍数500倍以下の屋外タンク貯蔵所は、もともとの必要幅が3m以上であるため、この規定によって3m未満にできるものではありません。
(根拠:危政令第11条第1項第2号ただし書イ、危規則第15条第2項第1号)
保有空地を整理する際は、次の資料を用意します。
これらの資料をもとに、測定起点、保有空地の範囲、空地内の設備、防油堤との位置関係を図面上で整理します。
図面上で3mを確保できていても、それだけで設備配置や特例を含めて設置可能と決まるものではありません。
タンク、防油堤及び附属設備の位置を確定する前に、設置場所を管轄する消防本部・消防署へ相談してください。
(相談先:設置場所を管轄する消防本部・消防署)
引火点を有する液体危険物を貯蔵し、又は取り扱う屋外タンク貯蔵所では、火災時に消防車両や消防隊がタンクへ接近し、消火活動を行える配置にする必要があります。
そのため、防油堤内の屋外貯蔵タンクを構内道路へ面するように配置するとともに、防油堤の周囲を構内道路に接するように設ける基準があります。
構内道路を計画するときは、道路の幅だけでなく、消防車両が敷地入口からタンク付近まで進入し、消火活動を行い、敷地外へ退出できる一連の動線を考える必要があります。
(根拠:危規則第22条第2項第5号から第7号まで)
構内道路は、日常の車両通行やタンクの搬入だけを目的とした道路ではありません。
火災や危険物の漏えいが発生したときに、消防車両と消防隊が次の活動を行うための経路及び活動場所となります。
道路幅を確保していても、門扉、曲がり角、行き止まり、架空配管、段差、急勾配、駐車車両などによって消防車両が通行できなければ、消防活動に使用できる道路とは判断されない場合があります。
| 区分 | 全国共通の基準 | 道路幅等の取扱い |
|---|---|---|
| 通常基準 | 防油堤内の各屋外貯蔵タンクを、容量に応じた構内道路へ直接面するように配置する | このページで取り上げるタンクでは路面幅員6m以上 |
| 同じ防油堤内のすべてのタンクが、それぞれ200kL以下の場合 | 各タンクが、消防活動に支障がないと認められる道路又は空地に面していればよい | 全国共通法令では一律の幅を規定していない |
| 防油堤周囲の基準 | 防油堤の周囲を構内道路に接するように設ける | 構内道路の具体的な幅や構造は、法令、自治体審査基準及び個別協議による |
| 一部の自治体審査基準 | 消防活動に支障がない道路・空地や、防油堤周囲の構内道路について具体的な幅を定める | 4m以上とする例があるが、全国共通の法定幅員ではない |
(根拠:危規則第22条第2項第5号から第7号まで)
危規則第22条第2項第5号の通常基準を適用する場合、このページで取り上げる容量100kL以下の屋外貯蔵タンクは、路面幅員6m以上の構内道路へ直接面するように配置します。
この6m以上は、自治体が独自に定めた参考値ではなく、危規則に定められた全国共通の通常基準です。
| 対象となる屋外貯蔵タンク | 通常基準による構内道路の路面幅員 |
|---|---|
| このページで取り上げる容量100kL以下のタンク | 6m以上 |
「タンクを構内道路へ直接面する」とは、タンクから消防活動を行える位置に構内道路を配置することです。
具体的にどの面を道路へ向けるか、タンクと道路との間に設けることができる設備、道路からタンクへの接近方法などは、タンク及び防油堤の配置を示した図面により扱います。
(根拠:危規則第22条第2項第5号)
危規則第22条第2項第7号では、防油堤の周囲が構内道路に接するように設けることが定められています。
原則として、防油堤の一面だけではなく、防油堤の周囲へ消防隊が接近できる配置とします。
防油堤の外周に沿って構内道路を配置することで、火災又は漏えいの発生場所に応じて、消防車両や消防隊が複数の方向から接近しやすくなります。
ただし、二つの防油堤を接して設ける場合の接続部分や、小容量のタンクなどについて、自治体の審査基準で個別の取扱いが示されている場合があります。
防油堤の一部だけを道路へ接する計画とする場合は、事業者の判断で決めず、その根拠と消防活動方法を所轄消防へ示す必要があります。
(根拠:危規則第22条第2項第7号)
同じ防油堤内に設置する屋外貯蔵タンクのすべてについて、その容量がそれぞれ200kL以下である場合は、各タンクを路面幅員6m以上の構内道路へ直接面させる通常基準に代えて、消防活動に支障がないと認められる道路又は空地に面していればよいとされています。
この条件は、同じ防油堤内のタンク容量の合計が200kL以下という意味ではありません。
例えば、同じ防油堤内に100kLのタンクが2基ある場合は、合計容量が200kLとなりますが、法令上の判定では、各タンクがそれぞれ200kL以下であるかを見ます。
一方、同じ防油堤内に200kLを超えるタンクが1基でもある場合は、この取扱いを利用できません。
このページで取り上げるタンクは1基ごとの容量が100kL以下であるため、各タンクの容量条件は満たします。
ただし、既設タンクと防油堤を共用する場合は、同じ防油堤内にあるすべてのタンクの容量を調べる必要があります。
(根拠:危規則第22条第2項第6号)
危規則第22条第2項第6号による道路又は空地は、各タンクを通常の6m以上の構内道路へ直接面させる第5号の基準に代わるものです。
したがって、同じ防油堤内のすべてのタンクがそれぞれ200kL以下であっても、次のように一律に判断することはできません。
消防活動に支障がない道路又は空地として所轄消防の審査を受けるため、配置図に次の内容を記載します。
全国共通法令では、この道路又は空地の幅を一律の数値で定めていません。
実際に消防活動へ使用できるかどうかを、自治体の審査基準と所轄消防の個別判断により扱います。
各タンクを消防活動に支障のない道路又は空地へ面させる取扱いと、防油堤の周囲を構内道路へ接するように設ける基準は、別の規定です。
そのため、各タンクが道路又は空地へ面しているだけで、防油堤周囲の構内道路に関する条件も満たしたことにはなりません。
配置図では、次の二つを分けて表示します。
両者を同じ道路又は空地で兼ねる場合も、その有効幅、配置、消防車両の動線及び消防活動への支障の有無を所轄消防へ示す必要があります。
(根拠:危規則第22条第2項第6号・第7号)
6m以上は、危規則第22条第2項第5号の通常基準を適用する場合の全国共通の路面幅員です。
一方、危規則第22条第2項第6号の「消防活動に支障がないと認められる道路又は空地」には、全国共通法令上の一律の幅員が定められていません。
この道路又は空地について、一部の自治体審査基準では、道路の幅員又は空地の幅を4m以上とする例があります。
また、防油堤の周囲に接する構内道路について、路面幅員4m以上とする自治体審査基準もあります。
ただし、4mは全国共通の法定幅員ではありません。
したがって、次のような判断はできません。
4mという数値は、自治体の審査基準に基づく取扱いの一例です。
ヒイラギ独自の設置目安として提示するものではなく、実際に必要となる幅と配置条件は、設置場所を管轄する消防本部・消防署との事前協議により決まります。
(全国共通の根拠:危規則第22条第2項第5号から第7号まで。実務上の取扱い:各消防本部の屋外タンク貯蔵所に関する審査基準)
自治体の審査基準や個別協議では、道路又は空地の幅だけでなく、消防車両が実際に通行し、活動できるかが確認されます。
主な確認事項は次のとおりです。
| 確認項目 | 主な確認内容 |
|---|---|
| 進入口 | 公道から構内へ消防車両が進入できる門扉の幅と位置 |
| 有効幅 | 縁石、側溝、柱、設備等を除いて通行に使用できる幅 |
| 曲がり角 | 消防車両が接触せずに曲がれる内側・外側の余裕 |
| 行き止まり | 消防車両が方向転換又は後退退出できる場所 |
| 上空 | 配管、配管支持物、ケーブル、門扉等が消防車両の通行を妨げない高さ |
| 勾配 | 消防車両が安全に進入、停止及び退出できる勾配 |
| 路面 | 雨天時等にも走行でき、消防車両の荷重に耐えられる構造 |
| 障害物 | 駐車車両、資材、植栽、門扉等によって通行を妨げない管理 |
| 活動場所 | 車両を停止し、ホース展開や放水等を行える場所 |
| 退出経路 | 活動終了後又は状況悪化時に敷地外へ退出できる経路 |
一部の自治体審査基準では、構内道路上に配管支持物等を設ける場合、路面から4m以上の高さを確保する例があります。
また、防油堤の上部を道路として使用する場合の取付勾配などを定めている審査基準もあります。
これらは全国一律の数値ではありません。所轄消防が採用する審査基準と、使用する消防車両の条件に基づいて扱います。
敷地内の構内道路が行き止まりとなる場合は、消防車両が方向転換できる場所又は安全に後退して退出できる経路が必要となります。
道路幅だけを確保しても、奥まで進入した消防車両が退出できない配置では、火災の拡大時に消防活動へ支障が生じるおそれがあります。
配置図には次の内容を記載します。
必要な転回寸法や曲線半径は、敷地内へ進入する消防車両の種類や自治体の審査基準によって異なります。
一律の数値を当てはめず、所轄消防へ消防車両の動線を示します。
| 項目 | 主な役割 |
|---|---|
| 構内道路 | 消防車両及び消防隊が敷地内を移動し、タンク及び防油堤へ接近するための道路 |
| 保有空地 | 延焼防止、消防活動、点検等のために屋外貯蔵タンクの周囲へ確保する空地 |
| 消防活動に支障がない道路又は空地 | 同じ防油堤内のすべてのタンクがそれぞれ200kL以下の場合に、各タンクを通常の構内道路へ直接面させる基準に代えて使用できる道路又は空地 |
| 消防活動用空地 | 消防車両の停止、消防ホースの展開、放水等の消防活動を行うために確保する場所 |
これらは、配置上重なる場合がありますが、法令上の根拠と目的は同じではありません。
構内道路が保有空地を兼ねられるか、道路又は空地を消防活動用空地として利用できるかは、設備配置と消防活動への影響を踏まえて扱います。
引火点を有する液体危険物以外の液体危険物については、危規則第22条第2項第5号から第8号までの構内道路等の基準が準用されません。
構内道路に関する説明をすべての液体危険物へ一律に当てはめず、貯蔵する危険物の法令上の区分を確認する必要があります。
(根拠:危規則第22条第3項)
ここでいう構内道路は、事業所の敷地内で消防活動に使用する道路です。
次の道路や経路とは、目的と確認事項が異なります。
ただし、敷地入口から構内道路まで消防車両が進入できなければ、構内道路だけを整備しても消防活動には使用できません。
敷地外の道路から門扉を通ってタンク付近へ進入し、消火活動後に敷地外へ退出するまでの経路を、配置図に連続して記載します。
タンクの搬入経路については、消防活動用の構内道路とは別に、道路幅、門扉、架空電線、高さ制限、曲がり角、クレーン設置場所等を調べます。
構内道路を計画する際は、次の内容を記載した配置図を用意します。
同じ防油堤内のすべてのタンクがそれぞれ200kL以下であっても、道路又は空地の幅や配置を事業者の判断だけで決めることはできません。
また、自治体審査基準に4mと記載されている場合でも、敷地入口からタンク付近までの消防車両の動線や、周辺設備との関係によって、追加の条件が必要となることがあります。
タンク、防油堤及び道路の位置を確定する前に、設置場所を管轄する消防本部・消防署へ相談してください。
(相談先:設置場所を管轄する消防本部・消防署)
この説明では、次の条件に該当する屋外タンク貯蔵所を対象とします。
この対象範囲では、指定数量の倍数は最大100倍となります。
屋外タンク貯蔵所が消防法上の法定定期点検の対象となるのは、指定数量の倍数が200倍以上の場合です。
そのため、このページで対象とする屋外タンク貯蔵所は、消防法第14条の3の2に基づく法定定期点検の対象外です。
ただし、法定定期点検の対象外であっても、タンク、配管、防油堤、基礎、弁、ポンプ、通気管、計装設備などの日常点検や維持管理が不要になるわけではありません。
施設を消防法令の技術上の基準に適合した状態で維持する義務は残ります。
(根拠:消防法第12条第1項・第14条の3の2、危政令第8条の5)
この説明では、第4類危険物のうち、次の危険物を対象とします。
次の危険物は、この説明の対象に含めません。
第三石油類については、引火点130℃未満のものだけでなく、引火点130℃以上のものも対象に含みます。
第四石油類及び動植物油類も、この説明の対象に含みます。
危険物の品名、引火点、水溶性の有無及び指定数量は、実際に貯蔵する製品のSDSと、許可申請書に記載する危険物の品名・数量を用いて判定します。
(根拠:消防法別表第1、危政令第1条の11、危政令別表第3)
屋外タンク貯蔵所は、危規則第9条の2に定める除外施設を除き、指定数量の倍数が200倍以上となる場合に、法定定期点検の対象となります。
| 判定項目 | 判定内容 |
|---|---|
| 施設区分 | 屋外タンク貯蔵所 |
| 判定に使用する数量 | 許可に係る危険物の最大貯蔵数量 |
| 対象となる倍数 | 指定数量の倍数が200倍以上 |
| 除外施設 | 危規則第9条の2に定める施設は、200倍以上であっても法定定期点検の対象外 |
| 判定単位 | 原則として許可を受けた屋外タンク貯蔵所ごと |
| 複数の危険物を同一施設で扱う場合 | 各危険物の数量をそれぞれの指定数量で除し、その商を合計する |
(根拠:消防法第10条第2項・第14条の3の2、危政令第7条の3第3号・第8条の5、危規則第9条の2)
指定数量の倍数は、許可に係る最大貯蔵数量を、その危険物に定められた指定数量で割って求めます。
指定数量の倍数=最大貯蔵数量÷指定数量
同じ許可施設で、品名又は指定数量の異なる二以上の危険物を同時に貯蔵し、又は取り扱う場合は、各危険物について求めた倍数を合計します。
複数の危険物を扱う場合の倍数=各危険物の倍数の合計
別々に設置許可を受けた危険物施設の数量を、事業所全体で単純に合計して、屋外タンク貯蔵所の200倍基準を判定するものではありません。
ただし、既設タンク、附属設備又は取扱設備が同じ許可施設の範囲に含まれている場合は、その許可内容に基づく最大貯蔵数量又は最大取扱数量を使用します。
判定に使用する施設の範囲が分からない場合は、次の資料から許可単位と許可数量を読み取ります。
(根拠:消防法第10条第2項、危政令第1条の11)
この説明で対象とする危険物について、100,000Lを貯蔵する場合の指定数量の倍数は、次のとおりです。
| 危険物 | 指定数量 | 100,000Lを貯蔵する場合の倍数 |
|---|---|---|
| 第二石油類・非水溶性液体 | 1,000L | 100倍 |
| 第二石油類・水溶性液体 | 2,000L | 50倍 |
| 第三石油類・非水溶性液体 | 2,000L | 50倍 |
| 第三石油類・水溶性液体 | 4,000L | 25倍 |
| 第四石油類 | 6,000L | 約16.7倍 |
| 動植物油類 | 10,000L | 10倍 |
この対象範囲で最も倍数が大きくなるのは、第二石油類の非水溶性液体です。
100,000Lを指定数量1,000Lで割ると、100倍となります。
100,000L÷1,000L=100倍
したがって、第4類危険物のうち、特殊引火物、第一石油類及びアルコール類を除く危険物を、タンク容量100kL以下で貯蔵する場合、指定数量の倍数は最大100倍となり、法定定期点検の対象となる200倍以上には達しません。
第三石油類は、引火点が130℃未満か130℃以上かにかかわらず、指定数量は次のとおりです。
そのため、引火点130℃以上の第三石油類を100,000L貯蔵する場合も、指定数量の倍数は非水溶性液体で50倍、水溶性液体で25倍となり、法定定期点検の対象となる200倍以上には達しません。
この結論は、特殊引火物、第一石油類及びアルコール類を除く第4類危険物を対象とした場合のものです。
「タンク容量100kL以下であれば、どの危険物でも法定定期点検の対象外」という意味ではありません。
(根拠:危政令第1条の11・第8条の5、危政令別表第3)
この説明の対象を外れ、危規則第9条の2に定める除外施設に該当せず、指定数量の倍数が200倍以上となる屋外タンク貯蔵所では、次の方法で法定定期点検を実施します。
| 項目 | 法令上の内容 |
|---|---|
| 点検頻度 | 原則として1年に1回以上 |
| 点検内容 | 施設の位置、構造及び設備が技術上の基準に適合しているか |
| 点検実施者 | 危険物取扱者又は危険物施設保安員 |
| 危険物取扱者等以外が行う場合 | 危険物取扱者の立会いを受けて実施 |
| 記録の作成者 | 施設の所有者、管理者又は占有者 |
| 一般的な記録保存期間 | 3年間 |
(根拠:消防法第14条の3の2、危規則第62条の4・第62条の6から第62条の8まで)
法定定期点検の対象施設では、点検後に次の内容を記録します。
点検記録は、危規則第62条の7に定める事項を記載し、消防庁の指導指針で示された定期点検記録表及び屋外タンク貯蔵所点検表を基本に作成します。個別の設備構成や自主的な点検項目等に応じて内容を一部変更する場合は、あらかじめ所轄消防へ確認してください。
不具合があった場合は、補修、交換その他の措置内容と実施日を、点検記録又は設備保全記録へ追記します。
法定定期点検は、施設全体の位置、構造及び設備が、技術上の基準に適合しているかを定期的に点検する制度です。
これとは別に、大容量の屋外貯蔵タンクには、タンク底部の溶接部や板厚を調べる内部点検や、市町村長等が行う保安検査が関係する場合があります。
このページで取り上げるタンク容量100kL以下の範囲では、大型タンクを対象とする内部点検及び保安検査の詳細は取り上げません。
また、所轄消防が行う立入検査は、事業者が実施する法定定期点検とは別のものです。
所轄消防の立入検査を受けたことによって、事業者の法定定期点検が不要になるものではありません。
法定定期点検の対象外であっても、屋外タンク貯蔵所の所有者、管理者又は占有者は、その位置、構造及び設備を、消防法令の技術上の基準に適合するよう維持しなければなりません。
したがって、法定定期点検の対象外であることは、日常点検、自主点検、補修又は設備保守が不要という意味ではありません。
(根拠:消防法第12条第1項)
日常点検・自主点検の例
施設の使用状況に応じて、事業者が点検周期と担当者を定め、次の箇所を日常点検又は自主点検の対象とします。
| 対象箇所 | 主な点検内容 |
|---|---|
| タンク本体 | 漏えい、腐食、さび、変形、塗膜の膨れ・剥がれ |
| 基礎・地盤 | 沈下、傾き、ひび割れ、洗掘、排水不良 |
| 防油堤 | ひび割れ、欠損、貫通部、排水弁の状態、内部への雨水滞留 |
| 配管・継手 | 漏えい、腐食、変形、支持部の緩み |
| 弁類 | 漏えい、固着、開閉状態、表示 |
| 通気管 | 詰まり、腐食、変形、先端部の損傷 |
| 注入口・払出口 | 漏えい、キャップ、接続部、表示 |
| ポンプ設備 | 異音、振動、漏えい、作動状態 |
| 液面計・警報設備 | 表示、警報、センサー及び電源の状態 |
| 消火設備 | 損傷、使用期限、作動状態、周囲の障害物 |
| 標識・掲示板 | 汚損、脱落、表示内容 |
| 保有空地・構内道路 | 資材、駐車車両、雑草その他の障害物 |
異常を発見した場合は、点検日、発見箇所、異常の内容、使用継続の可否、応急措置及び恒久措置を、点検記録又は設備保全記録へ記載します。
漏えいや設備故障など、危険物の貯蔵・取扱いを安全に継続できない異常がある場合は、使用を停止し、必要な措置を講じます。
工事が消防法第11条第1項の位置、構造又は設備の変更に当たる場合は、原則として変更許可が必要です。
一方、許可を要しない軽微な変更工事について、事前の資料提出等を求める取扱いは、消防本部や工事内容によって異なります。
また、危険物の品名、数量又は指定数量の倍数を変更する場合は、消防法第11条の4の届出が必要です。工事前に図面と工事内容を所轄消防へ示してください。
工事を発注する前に、次の内容を所轄消防へ示します。
許可又は届出が必要かを、施工後ではなく工事前に所轄消防へ照会します。
(根拠:消防法第11条第1項、第11条の4)
法定定期点検の対象外であっても、設置後には次の作業と費用が生じる可能性があります。
必要となる作業は、貯蔵する危険物、タンクの材質、設置環境、塗装仕様、配管・ポンプ・計装設備の構成によって変わります。
導入時には、タンク本体の価格だけでなく、日常点検、補修、塗装、部品交換及び設備保守を含めた設置後の管理費用も見込む必要があります。
法定定期点検の要否と、設置後の管理体制を決めるため、運用開始前に次の資料を用意します。
これらの資料を所轄消防へ示し、許可施設の範囲、指定数量の倍数、法定定期点検の要否及び必要な届出を照会します。
(相談先:設置場所を管轄する消防本部・消防署)
屋外タンク貯蔵所を設置したからといって、危険物取扱者が24時間、常にタンクの横にいる必要があるという意味ではありません。
ただし、屋外タンク貯蔵所には「危険物保安監督者」の選任が必要です。
また、危険物の受入れ、払出し、移送などの取扱作業は、取扱い可能な危険物取扱者が自ら行うか、甲種又は乙種危険物取扱者の立会いを受けて行う必要があります。
屋外タンクを運用する際は、次の二つを分けて考えます。
危険物保安監督者と危険物取扱者は、別々の人でなければならないわけではありません。
資格と実務経験の要件を満たす一人が、危険物保安監督者を務めながら、自ら取扱作業を行い、又は無資格者の作業に立ち会うこともできます。
(根拠:消防法第13条)
屋外タンク貯蔵所に危険物を貯蔵している間、危険物取扱者が24時間、タンクの横に立ち続けることを求める規定ではありません。
一方、屋外タンク貯蔵所は、危険物保安監督者を選任しなくてもよい施設として危政令に列挙されていません。
そのため、危険物を入れたまま保管することが主な用途であっても、屋外タンク貯蔵所には危険物保安監督者を選任します。
また、危険物を受け入れるとき、払い出すとき、ポンプや弁を操作して移送するときなどは、取扱作業を行う時間に合わせて危険物取扱者が関与します。
| 人員 | 必要となる場面 |
|---|---|
| 危険物保安監督者 | 屋外タンク貯蔵所の保安監督を行うために選任する |
| 危険物取扱者 | 危険物を自ら取り扱うとき、又は無資格者の取扱作業へ立ち会うとき |
| 無資格の作業者 | 甲種又は該当する乙種危険物取扱者の立会いを受けて取扱作業を行う |
(根拠:消防法第13条、危政令第31条の2)
危険物が流れる、移し替えられる、又は施設から出入りする作業は、危険物の取扱作業に当たります。
屋外タンク貯蔵所では、主に次の作業が該当します。
これらの作業は、次のいずれかの方法で行います。
設備の外観点検、危険物が完全に除去された後の一般的な清掃など、危険物を直接取り扱わない作業まで、すべて危険物取扱者本人に限られるものではありません。
ただし、危険物が残っているか分からない作業や、配管を開放する作業、火気を使用する補修工事は、危険物の除去方法と安全措置を工事前に決める必要があります。
(根拠:消防法第13条第3項)
| 免状区分 | 自ら取り扱える危険物 | 無資格者の作業への立会い | 危険物保安監督者 |
|---|---|---|---|
| 甲種 | すべての類の危険物 | すべての類について可能 | 6か月以上の実務経験があれば選任可能 |
| 乙種第4類 | 第4類危険物 | 第4類について可能 | 6か月以上の実務経験があれば選任可能 |
| 丙種 | 法令で定める一部の第4類危険物 | 不可 | 選任不可 |
第4類危険物を扱う屋外タンク貯蔵所では、甲種又は乙種第4類危険物取扱者であれば、その施設で扱う第4類危険物を自ら取り扱い、無資格者の作業へ立ち会うことができます。
丙種危険物取扱者は、ガソリン、灯油、軽油、第三石油類(重油、潤滑油及び引火点130℃以上のものに限る。)、第四石油類及び動植物油類を自ら取り扱うことができます。
ただし、無資格者の取扱作業へ立ち会うことはできません。また、危険物保安監督者にも選任できません。
貯蔵する危険物が丙種危険物取扱者の取扱範囲に含まれる場合でも、無資格者へ作業させる場合や、危険物保安監督者を選任する場合には、甲種又は乙種第4類危険物取扱者が必要です。
(根拠:消防法第13条・第13条の2、危規則第49条)
無資格者が危険物を取り扱う場合は、甲種又はその危険物を取り扱える乙種危険物取扱者の立会いが必要です。
立会いは、有資格者の名前を作業予定表に記載するだけではありません。
立ち会う危険物取扱者には、次のことができる状態が求められます。
危険物取扱者が同じ会社に在籍していても、作業場所におらず、電話連絡しかできない状態では、実際の取扱作業への立会いとして十分かを別に判断する必要があります。
複数の場所で同時に取扱作業を行う場合は、一人の危険物取扱者が各作業を実際に監督できるかを考慮して、人員を配置します。
タンクローリーから屋外貯蔵タンクへ危険物を受け入れる作業では、タンクローリー側と屋外タンク貯蔵所側の担当者及び作業内容を明確にします。
タンクローリーの運転者が危険物取扱者であり、その者が荷卸しに係る取扱作業を自ら行い、又は適切に立ち会う場合、別の危険物取扱者を一律に重ねて配置することまで法令が求めるものではありません。
ただし、その資格だけで、屋外タンク貯蔵所の所有者等の管理責任や、危険物保安監督者の選任義務がなくなるものではありません。荷卸し時の役割分担、相互確認及び立会い方法を、施設の作業手順等に明記してください。
なお、消防庁通知に基づく「単独荷卸し」の対象施設に、通常の屋外タンク貯蔵所は含まれていません。
荷卸し手順書には、次の内容を記載します。
実際の立会い方法と役割分担は、運用開始前に所轄消防へ示します。
屋外タンク貯蔵所では、危険物保安監督者の選任が必要です。
危政令では、危険物保安監督者を選任しなくてもよい施設を定めていますが、その中に屋外タンク貯蔵所は含まれていません。
したがって、次の条件によって選任義務がなくなるものではありません。
危険物保安監督者は、屋外タンク貯蔵所で行われる危険物の取扱作業について、保安を監督します。
主な職務は次のとおりです。
(根拠:消防法第13条第1項、危政令第31条・第31条の2、危規則第48条)
第4類危険物を貯蔵する屋外タンク貯蔵所では、次の両方を満たす人から危険物保安監督者を選任します。
丙種危険物取扱者は、危険物保安監督者には選任できません。
免状を取得しただけで、6か月以上の実務経験がない人を、直ちに危険物保安監督者へ選任することはできません。
6か月以上の実務経験は、危険物取扱者免状の交付後の経験だけに限られません。
免状取得前であっても、消防法に基づき許可された製造所、貯蔵所又は取扱所で、危険物取扱者の立会いを受けて実際に危険物を取り扱った経験は算入できます。
乙種の場合は、その者が取り扱うことのできる類の危険物に関する実務経験であることが必要です。実務経験の期間と内容は、実務経験証明書により証明します。
単に危険物施設のある事業所に勤務していた期間ではなく、実際に危険物を取り扱った経験が必要です。
(根拠:消防法第13条第1項、危規則第48条の2)
危険物保安監督者を選任したときは、遅滞なく市町村長等へ届け出ます。
退職、異動その他の理由で解任したときも、遅滞なく届け出ます。
選任時には、一般に次の書類を提出します。
全国共通の様式として、次の様式が定められています。
危険物保安監督者が退職又は異動した後も、届出上の氏名だけを残して運用することはできません。
後任者が選任要件を満たしているかを調べ、選任・解任の届出を行います。
(根拠:消防法第13条第2項、危規則第48条の3)
危険物保安監督者を選任することは、その人が24時間、常にタンクの横にいなければならないという意味ではありません。
一方、名前だけを届け出て、保安監督の職務を行わないことも認められません。
危険物保安監督者が行うのは、屋外タンク貯蔵所における危険物の取扱作業と保安管理の監督です。
次の状態を維持できる勤務体制と権限が必要です。
危険物保安監督者が不在の時間帯に危険物の受入れや払出しを行う場合でも、その危険物を取り扱える危険物取扱者本人又は立会者を配置する必要があります。
危険物保安監督者と、取扱作業を行う危険物取扱者が同じ人である場合は、その人が休暇、出張、疾病その他の理由で不在となると、取扱作業を行えない時間が生じることがあります。
屋外タンクの導入前に、次の時間帯と作業ごとに担当者を決めます。
次表は、法令が全国一律の人数、常駐時間又は連絡時間を定めたものではなく、消防法第13条及び危規則第48条の職務を実行できる体制を検討するための例です。
危険物保安監督者の不在時、夜間・休日の連絡体制及び代行体制は、操業条件、予防規程の内容及び所轄消防の審査に応じて定めてください。
| 運用場面 | 必要となる人員 |
|---|---|
| 危険物をタンク内へ保管している時間 | 危険物保安監督者が職務を遂行できる管理・連絡体制 |
| タンクローリーからの受入れ | 取扱い可能な危険物取扱者又は甲種・乙種危険物取扱者の立会い |
| タンクからの払出し・移送 | 取扱い可能な危険物取扱者又は甲種・乙種危険物取扱者の立会い |
| 無資格者による弁・ポンプ操作 | 甲種又は乙種第4類危険物取扱者の立会い |
| 残油の抜取り・漏えい回収 | 取り扱う危険物に対応する資格者の関与 |
| 危険物が残存するタンクの清掃 | 資格者の関与と、作業方法に応じた安全管理 |
| 夜間・休日の緊急対応 | 連絡を受けて必要な指示と応急措置を行える人員 |
| 危険物保安監督者の退職・異動 | 後任候補者の資格・実務経験確認と選任・解任届出 |
一人の有資格者が、危険物保安監督者、危険物の取扱作業及び無資格者への立会いを兼ねることはできます。
ただし、次の運用では、一人だけでは継続できない場合があります。
必要人数は、法令上の肩書だけで決めるのではなく、実際の操業時間、作業内容及び不在時の対応から決めます。
危規則第61条に定める除外施設を除き、指定数量の倍数が200倍以上の屋外タンク貯蔵所では、危険物保安監督者の選任に加えて、予防規程を定め、市町村長等の認可を受ける必要があります。
予防規程には、施設の運用に応じて次の内容を記載します。
このページで取り上げる範囲には、指定数量の倍数200倍以上500倍以下の施設も含まれます。危規則第61条に定める除外施設に該当しない場合は、予防規程を運用する組織と代行体制も必要です。
(根拠:消防法第14条の2、危政令第37条、危規則第60条の2・第61条)
危険物施設で危険物の取扱作業に従事する危険物取扱者は、法令で定める期限までに保安講習を受けます。
継続して取扱作業に従事する場合は、原則として、前回の講習を受けた日以後における最初の4月1日から3年以内に次の講習を受けます。
危険物の取扱作業へ新たに従事する場合は、原則として、従事を始めた日から1年以内に講習を受けます。
ただし、従事開始日前2年以内に免状の交付又は保安講習を受けている場合は、その免状交付日又は講習日以後における最初の4月1日から3年以内となります。
免状を持っている人が、現在は危険物の取扱作業に従事していない場合と、実際に取扱作業へ従事している場合では、保安講習の取扱いが異なります。
免状区分、従事開始日、前回受講日及び次回受講期限を記録します。
(根拠:消防法第13条の23、危規則第58条の14)
屋外タンクを運用する前に、次の資料を用意します。
これらの資料を所轄消防へ示し、危険物保安監督者の選任、危険物取扱者の配置、無資格者への立会い、タンクローリーからの受入方法及び必要な届出を照会します。
(相談先:設置場所を管轄する消防本部・消防署)