燃料等の物理的性質 他
目次
他ページの解説 リンク
燃料等の主な物理的性質
消防法(危険物)
分類と
指定数量
| 引火点
(℃) | 比 重
| 蒸気比重
| 燃焼範囲
(%) | 主な用途例
| |
ガソリン
| 第四類
第一石油類 非水溶性 200L | -40以下
| 0.65~0.75
| 3~4
| 1.4~7.6
| 自動車燃料
発電機燃料 |
エタノール
| 第四類
アルコール類
400L
| +13程度
| 0.8程度
| 1.6
| 3.3~19
| 消毒剤
種類
|
灯 油
| 第四類
第二石油類 非水溶性 1,000L | +40以上
| 0.8程度
| 4.5
| 1.1~6.0
| 暖房燃料
|
軽 油
| 第四類
第二石油類 非水溶性 1,000L | +45以上
| 0.85程度
| 4.5
| 1.0~6.0
| 自動車燃料
発電機燃料
|
重 油
| 第四類
第三石油類 非水溶性 2,000L | 60~150
| 0.9~1.0
| 4.5
| ボイラー燃料
|
燃焼範囲
燃える気体と空気が一定の範囲で混じりあったもの(混合気体)に点火すると、急激に延焼し、密閉容器内では爆発します。
この範囲を燃焼範囲といい、混合気体に対する燃えやすい気体との容量(%)で表します。
燃焼範囲のうち低い濃度の方を燃焼下限界(下限値)、高い濃度の方は燃焼上限界(上限値)といい、燃焼範囲の広いものほど、また、燃焼下限値の小さいものほど引火の危険性が大きくなります。
引火点
引火点は、その液体が空気中で点火したときに燃え始めるのに十分な濃度のガスを液面上に発生する最低液温のことです。
燃料液体の温度がその引火点より高いときは、点火により引火する危険があり、一般的に引火点が低いものほど燃焼する可能性が高く取扱いに注意が必要です。
また、特にガソリン・エタノールなどは、外気温よりも低くなる時期があるため(つまり、引火点以上になる季節がある)ため、防爆電気器具の使用または、静電気対策が必要です。なお、最高外気温近傍の灯油、軽油についても充分な配慮が必要です。
蒸気比重
液体である燃料が、気体(ガス化)したときの空気との重さの比。
蒸気比重が1より大きい場合は、空気より重く、下方にそのガスが溜まります。
「燃料の匂いがする」ときは、ガス化した燃料と空気の混合気体がある状態です。
静電気
静電気は、2種類の異なる物質をこすらせて引き離したときに、一方にプラス電気、他方マイナス電気を帯びることなどの種々な要因で発生します。たとえば、第4類危険物(引火性液体)は一般に電気を通しにくく、ガソリンや灯油を送油するときは摩擦により静電気が発生します。静電気は、液体だけではなく金属や固体、気体、さらに人体にも発生します。
(1) 静電気の発生機構
・ 摩擦帯電:2種類の物質をこすり合わせたときに発生し電気を帯びる現象
・ 接触帯電:接触した2醜類の物質が分離するときに発生し電気を帯びる現象
・ 流動帯電:管内を液体が流れるときに発生し電気を帯びる現象
・ 噴霧帯電:液体がノズルから吹き出すときに発生し電気を帯びる現象
(2) 静電気の発生しやすい条件
① 物質の電気抵抗の大きいものほど発生しやすいです。
② ガソリンや灯油などの送油作業では、流速の大きいものほど静電気が発生しやすくなります。また、流れが乱れるほど静電気は発生しやすくなります。
③ 合成繊維の衣類は、木綿の衣類より、静電気が発生しやすいです。
④ 接触分離する物体の種類や組合せ、接触面積、接触圧などは、静電気発生の要因となります。
(3) 静電気蓄積による火花放電
発生した静電気は、大地へ逃げることにより時間とともに少なくなりますが、プラスチックのように電気抵抗が非常に大きい物質では、大地へ流れる速度が遅いため、静電気が物体に溜まった状態になります。静電気の蓄積した状態では、何らかの原因で空気中に放電したとき、その電気エネルギーが点火源となって、付近の引火性ガス等に引火または爆発する危険性があります。
静電気災害の防止
静電気災害を防止する方法は、種々ありますが、その一例として
(1) 静電気の発生を少なくする方法
・ 摩擦を少なくする。
・ 電気の流れやすい材料を使用する。(容器や配管など)
・ 配管流速(液体の速度)を小さくし、流れを乱さないようにする。
(2) 静電気を蓄積させない方法
・ 静電気の蓄積するものは、電気の流れやすいもので接続し接地(アース)する。
・ 湿度を75%以上にあげる。
・ 帯電防止服、帯電防止靴(合成繊維の衣類をさけて、木綿の服など)を着用する。
・ 帯電防止服、帯電防止靴(合成繊維の衣類をさけて、木綿の服など)を着用する。