設置前・設置時の条件

地盤や地下水位、既設埋設物、掘削範囲、タンクの搬入経路を確認するとともに、基礎、固定、浮力対策、埋戻し、配管など、地下に設置するための条件を説明します。
地下タンクの設置では、地盤や地下水、施工条件だけでなく、設置後の点検・漏えい管理、将来の更新・撤去まで、導入前に確認しておく必要があります。
このページでは、消防法令上の「地下タンク貯蔵所」のうち、SF二重殻タンクを直接埋設方式で設置する場合を対象に、3つのポイントを説明します。


地盤や地下水位、既設埋設物、掘削範囲、タンクの搬入経路を確認するとともに、基礎、固定、浮力対策、埋戻し、配管など、地下に設置するための条件を説明します。

漏えい検知設備の確認、日常的な設備管理、法定定期点検、タンクや地下配管の漏れの点検など、設置後に続く管理と検査について説明します。

地下タンクは永久に使用できるものではありません。老朽化後の更新は大規模な工事となり、設置条件によっては非常に難しくなることがあります。将来の更新・撤去まで見据える必要性を説明します。
地下タンクの設置には、タンク本体を地中へ収めるための広さだけでなく、地盤や地下水位、掘削範囲、搬入経路、基礎、固定、埋戻し、配管などが関係します。
使用開始後は、日常的な設備管理、漏えい検知設備の確認、法定定期点検、タンクや地下配管の漏れの点検などが続きます。
さらに、地下タンクは永久に使用できるものではないため、老朽化した後の補修、使用継続、更新・撤去まで考えておく必要があります。
まずは、地下タンクの計画から更新・撤去までの流れと、HTOSF型式別の設置寸法を確認します。
設置場所の確認
地盤・地下水位の確認
既設埋設物と掘削範囲の確認
タンクと重機の搬入経路の確認
設計・消防機関との事前協議
掘削、基礎、固定、埋戻し、配管工事
完成検査
危険物の受入れと払出し
在庫量の確認
漏えい検知設備と警報の確認
注入口、通気管、計器類の確認
異常が見つかった場合の対応
法定定期点検
タンク、外殻、地下配管の漏れの点検
点検記録の作成と保存
タンクや付属設備の経年劣化への対応
補修又は使用継続の判断
タンク内の危険物や残留物の処理
上部コンクリートの解体と掘削
既設タンクの撤去
更新の可否と工事方法の検討
埋戻し、配管、舗装、外構などの復旧
地下タンクは、設置して完了する設備ではありません。
使用期間中の管理と点検を続け、老朽化したときには、補修、使用継続、更新又は撤去を判断することになります。
次の表は、HTOSF標準型式を直接埋設方式で設置する場合の、コンクリート床部寸法を示した初期検討用の一覧です。
コンクリート床部寸法は、地下タンクを設置するためのコンクリート構造の参考寸法です。掘削範囲や工事中に必要となる施工スペース全体を示すものではありません。
| 型式 | 実容量 (ℓ) | コンクリート床部寸法・幅 (mm) | コンクリート床部寸法・奥行 (mm) | 法定定期点検 | 危険物取扱者 |
|---|---|---|---|---|---|
| HTOSF-4 | 4,000 | 2,150 | 4,200 | ○ | ○ |
| HTOSF-5 | 5,000 | 2,150 | 5,000 | ○ | ○ |
| HTOSF-6 | 6,000 | 2,250 | 5,250 | ○ | ○ |
| HTOSF-7 | 7,000 | 2,400 | 5,300 | ○ | ○ |
| HTOSF-8 | 8,000 | 2,400 | 5,900 | ○ | ○ |
| HTOSF-10 | 10,000 | 2,500 | 6,550 | ○ | ○ |
| HTOSF-12 | 12,000 | 2,700 | 6,200 | ○ | ○ |
| HTOSF-13 | 12,000 | 2,700 | 6,600 | ○ | ○ |
| HTOSF-15 | 15,000 | 2,700 | 7,400 | ○ | ○ |
| HTOSF-18 | 18,000 | 2,800 | 7,950 | ○ | ○ |
| HTOSF-20 | 20,000 | 2,800 | 8,650 | ○ | ○ |
| HTOSF-25 | 25,000 | 2,900 | 9,650 | ○ | ○ |
| HTOSF-30 | 30,000 | 3,100 | 9,700 | ○ | ○ |
※1コンクリート床部寸法は、HTOSF標準型式を直接埋設方式で設置する場合の初期検討用の参考値です。
※2実際の掘削範囲には、コンクリート床部の外側に、掘削勾配、作業幅、山留め、排水設備などの施工スペースが必要になる場合があります。
※3地盤、地下水位、上部荷重、浮力などの条件に応じて、コンクリート構造、固定方法及び施工方法を検討する必要があります。
※4既設埋設物、周辺の建物や道路、重機の配置、タンクの搬入経路などを含め、工事が可能な範囲を事前に確認してください。
※5法定定期点検欄の「○」は、消防法令上の地下タンク貯蔵所として設置する場合に、法定定期点検の対象となることを示します。
※6危険物取扱者欄の「○」は、危険物の取扱いを免状の範囲に応じた危険物取扱者が行うこと、又は危険物取扱者以外の者が行う場合には、甲種若しくは当該危険物を取り扱うことができる乙種危険物取扱者の立会いが必要であることを示します。
※7最終的な構造、寸法、施工方法及び消防法令上の取扱いは、設計者、施工者及び設置場所を管轄する消防本部・消防署へ確認してください。
| 項目 | 主な内容・見るポイント | 詳細説明 |
|---|---|---|
| 設置場所の事前確認 | 地盤、地下水位、既設埋設物、掘削範囲、タンクと重機の搬入経路など、計画を進める前に確認する内容を説明します。 | 設置場所の事前確認を見る› |
| 地下タンクの設計・施工 | 掘削、基礎、固定、浮力対策、埋戻し、上部コンクリート、配管など、地下へ設置するための工事を説明します。 | 設計・施工を見る› |
| 使用開始後の日常管理 | 在庫量、漏えい検知設備、警報、注入口、通気管、計器類など、使用開始後に確認する設備と管理内容を説明します。 | 日常管理を見る› |
| 法定定期点検と漏れの点検 | 法定定期点検の対象、タンク・外殻・地下配管の漏れの点検、点検周期、点検記録について説明します。 | 定期点検と漏れの点検を見る› |
| 設備の経年変化と異常の早期発見 | タンク、地下配管、付属設備の腐食や経年劣化、漏えい事故の発生状況と原因、異常を早期に発見する重要性を説明します。 | 経年変化と異常の早期発見を見る› |
| 地下タンクの更新・撤去 | 上部コンクリートの解体、掘削、既設タンクの撤去、新しいタンクへの更新、埋戻しや舗装の復旧などを説明します。 | 更新・撤去を見る› |
地下タンクは、設置後に直接確認できなくなる部分が多いため、設置前の調査と計画が、使用開始後の管理、点検、補修、更新・撤去にも関係します。
必要容量、貯蔵する液体、設置場所、地下水位、既設埋設物、搬入条件など、現時点で分かる範囲から確認を始めてください。
地下タンクが適しているか、屋外タンクも含めて比較した方がよいか判断が難しい場合は、計画の初期段階からヒイラギへご相談ください。
地下タンク貯蔵所は、地盤面下に埋設された地下貯蔵タンクと、ポンプ、配管等の付属設備によって構成されます。
地下タンクの計画では、タンクの種類とタンクの設置方式を分けて捉える必要があります。
地下貯蔵タンクには、主に次の種類があります。
鋼製タンク
鋼製二重殻(にじゅうかく)タンク
(SS二重殻タンク)
鋼製強化プラスチック製
二重殻タンク(SF二重殻タンク)
強化プラスチック製
二重殻タンク(FF二重殻タンク)
SF二重殻タンクは、内殻を鋼製、外殻を強化プラスチック製とした二重殻タンクです。
地下貯蔵タンクを、地盤面下に設けたタンク室内へ設置する方式です。
タンク室には、タンクや危険物、土圧、地下水圧等による荷重に耐える強度と、地下水等の浸入を防ぐための措置が求められます。
第4類危険物を貯蔵する二重殻タンクを、タンク室を設けずに地盤面下へ設置する方式です。
タンクの上部を鉄筋コンクリート造のふたで覆い、ふたにかかる荷重がタンクへ直接かからない構造としたうえで、タンクを堅固な基礎へ固定します。
地下貯蔵タンクから危険物が漏れた場合に、危険物が地中へ流出することを防ぐための法令上の構造です。
SF二重殻タンクのFRP外殻、内殻と外殻の間に設けられた検知層及び漏えい検知設備とは、目的と構造が異なります。
このページのセクション3以降では、第4類危険物を貯蔵するSF二重殻タンクを、直接埋設方式で設置する地下タンク貯蔵所について詳しく説明します。
設置場所の事前確認、地下タンクの設計・施工、使用開始後の日常管理、法定定期点検と漏れの点検、設備の経年変化と異常の早期発見、地下タンクの更新・撤去までを順に取り上げます。
タンク室方式、漏れ防止構造及びその他の種類の地下貯蔵タンクは、分類を理解するための概要紹介にとどめ、以降の詳しい説明には含めません。これは、これらの方式やタンクによる地下タンク貯蔵所が設置できないという意味ではありません。
消防法、危険物政令、危険物規則及び関係告示による基準は全国共通ですが、自治体の条例・規則、審査基準及び運用、貯蔵する危険物の種類や数量、設置場所の条件、タンク及び付属設備の仕様によって、必要な構造、設備、施工方法及び手続が異なる場合があります。
実際の計画では、製品仕様と設計・施工条件を照合し、必要に応じて計画段階から設置場所を管轄する消防本部・消防署へ相談することが大切です。
地下タンクの設置可否は、タンクの容量や型式だけでは判断できません。
設置予定場所の地盤、地下水位、既設埋設物、掘削できる範囲、タンクや重機の搬入経路などを事前に確認し、実際に設置工事ができる場所であるかを検討する必要があります。
本ページで扱うHTOSFの標準的な直接埋設方式では、地下タンクの直上部に、地下タンクの使用や管理に必要な設備以外の建築物その他の工作物を設けず、ほかの用途に使用しないことを前提として設置場所を確保します。
計画を進める前に、次の項目を確認してください。
地下タンクを設置する位置の地盤条件を確認します。
地盤の状態は、掘削方法、山留め、基礎となるコンクリート構造などの計画に関係します。
必要に応じて地盤調査を行い、設計者及び施工者が、設置場所に適した構造と施工方法を検討する必要があります。
地下水位は、工事中の排水方法や、タンク及びコンクリート構造に作用する浮力に関係します。
HTOSFを直接埋設方式で設置する場合の浮力計算では、地下水によってタンク全体が水没した状態を想定します。
タンクが受ける浮力と、コンクリート基礎、固定部及び埋土などによる浮上抵抗を比較し、タンクが浮上しないことを確認します。
この計算結果をまとめた浮力計算書は、地下水による浮上に対する安全性を説明する資料です。設置許可申請の審査で提出を求められる書類や記載方法は、設置場所を管轄する消防本部・消防署へ確認します。
工事中の排水方法や、現地の地下水位に応じた施工方法については、設計者及び施工者が確認する必要があります。
設置予定場所の地下に、既設の配管、電線、ガス管、給排水設備などの埋設物がないかを確認します。
既設埋設物がある場合は、タンク本体、コンクリート構造、掘削範囲及び配管計画と干渉しないかを事前に確認する必要があります。
既存の図面に記載されていない埋設物や、図面と実際の位置が異なる埋設物が存在する場合もあります。
既存図面、設備台帳及び現地状況を確認し、必要となる調査方法については、設計者、施工者及び埋設物の管理者へ確認してください。
地下タンクの設置には、タンク本体やコンクリート構造が収まる範囲だけでなく、工事を行うための施工スペースが必要です。
実際の掘削範囲には、コンクリート床部の外側に、掘削勾配、作業幅、山留め、排水設備などのためのスペースが必要になる場合があります。
周辺の建物、道路、擁壁、既設設備及び敷地境界との関係を含め、必要な範囲を掘削できるかを確認してください。
掘削範囲及び施工方法は、地盤や地下水位などの現地条件によって異なるため、設計者及び施工者が判断する必要があります。
地下タンク本体を、設置場所まで搬入できる経路を確認します。
道路幅、門扉の幅と高さ、曲がり角、電線などの上空障害物、周辺の建物や設備が、搬入の支障とならないかを確認する必要があります。
あわせて、クレーンや掘削機などの重機が敷地内へ進入できるか、重機を安全に配置するための場所と作業範囲を確保できるかを確認してください。
搬入経路、重機の選定及び配置については、運送会社及び施工者へ確認する必要があります。
設置予定場所だけでなく、その周辺にある建物、道路、擁壁、設備及び敷地境界との位置関係を確認します。
掘削、排水及び重機の配置が周辺施設へ影響しないか、工事中の通行や既存設備の使用に支障がないかなど、敷地全体の条件を確認する必要があります。
周辺施設への影響や工事の可否については、設計者及び施工者が現地条件に基づいて判断します。
地下タンクを消防法令上の地下タンク貯蔵所として設置する場合は、工事着手前に市町村長等の設置許可を受ける必要があります。
許可を受け、許可書等の交付を確認してから工事に着手します。
必要となる構造、設備、申請書類及び消防法令上の取扱いは、貯蔵する危険物、タンク容量、設置場所、地盤、地下水位その他の現地条件などによって異なります。
計画が進んだ後に構造や配置を変更することにならないよう、設計及び工事を進める前の段階から、設置場所を管轄する消防本部・消防署へ相談し、必要な条件と手続を確認してください。
同じ容量、同じ型式の地下タンクであっても、地盤、地下水位、既設埋設物、掘削条件及び搬入条件は、設置場所ごとに異なります。
そのため、HTOSF型式別のコンクリート床部寸法だけで設置可否を判断せず、実際の敷地条件と工事条件を確認したうえで計画を進める必要があります。
HTOSFの製品仕様、浮力計算書及び一般的な消防法令上の設置条件に関するご質問は、ヒイラギへお問い合わせください。
地盤、地下水位、既設埋設物、掘削方法、山留め、排水方法、重機の配置、搬入経路など、現地状況及び設置工事に関する調査、設計及び判断については、設計者、施工者、運送会社その他の専門業者へご確認ください。
消防法令上の最終的な取扱いについては、設置場所を管轄する消防本部・消防署へ確認してください。
SF二重殻タンクを直接埋設方式で設置する工事は、掘削した場所へタンクを入れて埋め戻すだけではありません。
タンクを支持する基礎、地下水による浮上を防ぐ固定部、鉄筋コンクリート造のふたと支柱、埋戻し、配管、注入口、通気管、漏えい検知設備などを、設置条件に合わせて設計し、相互に整合させる必要があります。
同じ容量、同じ型式の地下タンクであっても、地盤、地下水位、埋設深さ、配管経路などによって、必要となる構造や施工方法は異なります。
直接埋設方式の設置工事は、タンクの型式や寸法だけで決められるものではありません。設計者、施工者その他の専門業者が、それぞれの担当範囲を確認しながら進める必要があります。
第4類危険物を貯蔵する二重殻タンクを、タンク室を設けずに直接埋設する場合は、タンクの水平投影より縦及び横にそれぞれ0.6m以上大きく、厚さ0.3m以上の鉄筋コンクリート造のふたで覆います。
また、ふたにかかる重量がタンクへ直接かからない構造とし、タンクを堅固な基礎の上に固定する必要があります。
鉄筋コンクリート造のふたにかかる荷重は、支柱などを通して基礎へ伝えます。タンク本体で、ふたの重量を支える構造ではありません。
本ページで扱うHTOSFの標準的な直接埋設方式では、地下タンクの直上部をほかの用途に使用せず、地下タンクの使用や管理に必要な設備以外の建築物その他の工作物を設けないことを前提としています。
実際のふた、支柱、基礎及び固定部の構造は、タンク型式、埋設深さ、地盤、地下水位などの設置条件を踏まえて設計します。
事前に確認した地盤、地下水位、既設埋設物及び周辺条件に基づいて、施工者が掘削、山留め及び排水方法を定めます。
地下水や雨水が掘削した場所へ流入する場合は、基礎工事、タンクの据付け及び埋戻しを安全に行えるよう、工事中の排水方法を施工計画へ含めます。
掘削範囲や施工方法は現地条件によって異なるため、設計者及び施工者が判断します。
地下タンクは、地盤面下に設けた基礎の上へ据え付け、固定バンドやアンカーボルトなどを用いて固定します。
基礎は、タンク及び貯蔵する危険物の重量を支持するだけでなく、地下水によってタンクが浮上することを防ぐための構造にも関係します。
浮力対策では、地下水によってタンク全体が水没した状態を想定し、タンクに作用する浮力と、基礎、固定部及び埋戻し部分などによる浮上抵抗を比較します。あわせて、固定バンド及びアンカーボルトが、タンクに作用する力に耐えられることを確認します。
HTOSFの浮力計算は、タンク型式ごとの寸法や重量だけでなく、基礎の寸法、固定方法、埋戻し条件などを含めて行います。そのため、ほかの型式や異なる設置条件の計算結果を、そのまま使用することはできません。
また、完成後だけでなく、タンクを据え付けてから鉄筋コンクリート造のふたが完成するまでの施工途中にも、地下水や雨水によってタンクが浮上するおそれがあります。
施工中の排水及び一時的な浮上防止についても、施工者があらかじめ方法を定めておく必要があります。
タンク上部の鉄筋コンクリート造のふたは、タンクを覆うとともに、ふた自体にかかる荷重を受ける部分です。
ふたにかかる重量をタンクへ直接かけないため、ふたを支柱で支持し、その荷重を基礎へ伝える構造とします。
ふた、支柱及び基礎は、タンク型式、埋設深さ及び地盤条件に応じて、一体として設計します。
支柱の本数、太さ、配筋、配置及び基礎との接続方法は、すべてのHTOSF型式で共通ではありません。設置条件に応じて、設計者が構造を決定します。
HTOSFは、鋼製の内殻をFRP製の外殻で覆い、内殻と外殻の間に漏えいを検知するための層を設けたSF二重殻タンクです。
搬入及び据付けの際にFRP外殻を傷つけると、漏えいを検知するための機能へ影響するおそれがあります。
タンクの積卸し、仮置き及び据付けでは、外殻へ工具や資材を直接当てたり、局部的な衝撃を加えたりしないようにします。
据付け前には、基礎及びタンクを支持する部分の表面が平滑であり、異物や大きな凹凸がないことを確認します。
タンクと受台、タンクと固定バンドの接触部分には、タンク図面及び据付参考図に従って、必要な保護材を配置します。
タンクの位置、方向及び水平を確認したうえで固定し、固定後にタンク及び固定部へ異常がないことを確認します。
タンクの据付け及び固定後は、タンクの周囲を適切な材料で埋め戻します。
埋戻しには、石塊、異物、有害な有機物、油分などを含まない材料を使用し、タンクのFRP外殻を傷つけないように施工します。
特にタンク下部は、埋戻し材を入れにくく、空隙が残りやすい部分です。タンク下部や受台の周囲に隙間が残らないよう、HTOSFの施工要領及び現場の施工計画に従って、埋戻し材を入念に充填します。
埋戻しの途中では、タンクの位置、固定部、配管及び漏えい検知設備に移動や損傷がないことを確認します。
埋戻し後は、タンク本体や地下配管を直接確認することが難しくなるため、施工途中の状態を確認し、必要な工事写真及び記録を残しておくことが重要です。
地下タンクの設置工事には、タンク本体だけでなく、危険物を受け入れ、貯蔵し、使用設備へ送り出すための配管や付属設備も含まれます。
地下配管は、貯蔵する危険物、送油方法、使用圧力、配管経路及び埋設条件に応じて、材質、接合方法及び外面の防食方法を決定します。
配管を埋め戻す前に、接合部から漏れがないことを確認し、地下に埋設する部分へ必要な防食措置を行います。
配管の漏れを確認するために圧力をかける場合は、タンク本体、タンクノズル、ポンプ及び計器類へ試験圧力がかからないように区切って行う必要があります。
注入口及び通気管は、設計図書及び消防機関との事前協議内容に従って設置します。
SF二重殻タンクには、鋼製の内殻とFRP製の外殻との間で、危険物の漏れを検知するための設備を設けます。
漏えい検知設備は、漏えいを検知する部分だけでなく、異常を知らせる警報装置を含めて構成されます。
設置工事では、検知層及び漏えい検知設備に異常がないことを確認するとともに、設置後も点検、確認及び交換ができる状態を確保します。
配線や検知部を埋戻しやコンクリート工事で損傷しないよう、ほかの配管及び設備との位置関係を確認する必要があります。
地下タンクの工事では、完成後に地中やコンクリートの内部へ隠れ、直接確認できなくなる部分が多くあります。
そのため、完成時だけでなく、次のような工程ごとに施工状態を確認します。
基礎、受台、鉄筋、アンカーボルトなどの位置、寸法及び施工状態を確認します。
タンクの銘板、外観、付属書類、漏えい検知に関係する部分、設置方向、位置、水平及び固定状態を確認します。
地下配管の接合、防食及び漏れの確認を行い、タンク外殻、固定部及び配管に異常がないことを確認します。
使用する埋戻し材、タンク下部への充填状態、タンク及び配管の移動や損傷の有無を確認します。
支柱、ふた、鉄筋、型枠及び基礎との接続状態を、コンクリートを打設する前に確認します。
タンク、配管、注入口、通気管、漏えい検知設備、警報、計器類などが、設計図書及び消防機関との協議内容に沿って施工されていることを確認します。
工事完了後は、市町村長等による完成検査を受け、技術上の基準に適合していると認められた後でなければ、地下タンク貯蔵所を使用できません。
タンクに係る工事には、工事内容に応じて完成検査前検査が関係します。また、埋設後に確認できなくなる部分の確認時期や方法は、工事方法や管轄消防本部・消防署の運用によって異なる場合があります。
埋設後に確認できなくなる部分の工事を進める前に、管轄消防本部・消防署と検査時期を調整してください。
直接埋設方式の工事では、タンク本体、基礎、固定部、ふた、支柱、埋戻し、配管及び漏えい検知設備を、一つの設備として整合させる必要があります。
HTOSFの型式別外形図や据付参考図は、計画を進めるための資料ですが、現地の地盤、地下水位及び施工条件を反映した最終的な施工図ではありません。
HTOSFの製品仕様、外形図、据付参考図、浮力計算書及びタンク本体の取扱いに関するご質問は、ヒイラギへお問い合わせください。
基礎、ふた、支柱、配管、掘削、山留め、排水及び埋戻しなど、現地条件を反映した設計と施工方法については、設計者及び施工者へ確認してください。
消防法令上の構造、設備、検査時期及び最終的な取扱いについては、設置場所を管轄する消防本部・消防署へ確認してください。
地下タンク本体や地下配管は地中にあり、使用開始後にその状態を直接見ることができません。
そのため、在庫量や液面の変化、漏えい検知設備の表示、警報の有無、注入口・通気管・マンホール周辺及び地表面の状態を継続して確認し、異常の兆候を早期に把握することが重要です。
日常管理の方法や確認頻度は、予防規程が定められている施設ではその内容に従い、その他の施設では管理要領及び各設備の取扱説明書等に基づいて定めます。
地下にあるタンクや配管の異常は、地上設備の変化、在庫量の差、警報等に現れることがあります。
一つの情報だけで判断せず、次の項目を組み合わせて施設の状態を確認します。
| 在庫量・液面 | 危険物の受入量、使用量及び液面の変化を記録し、通常の使用では説明できない減少がないかを確認します。 |
|---|---|
| 漏えい検知設備・警報 | 機器が通常の表示状態にあるか、警報や異常表示が出ていないか、電源が切られていないかを確認します。 |
| 注入口・注入口ピット | 油の付着、通常と異なる油臭、キャップやふたの損傷、滞油、滞水及び土砂等の堆積がないかを確認します。 |
| 通気管 | 見える範囲に変形、損傷、腐食及び通気を妨げるおそれのある状態がないかを確認します。 |
| マンホール・プロテクター | ふたの破損やずれ、周辺の油の付着、内部の滞油・滞水及び機器や配線の外観異常がないかを確認します。 |
| 地表面・露出配管 | タンク上部の亀裂、沈下、油染み、油臭のほか、地上に露出した配管の漏れ、にじみ、変形、損傷及び腐食を確認します。 |
| 設備周辺 | 工事、掘削、車両、重量物等により、タンクや地下配管が損傷するおそれがないかを確認します。 |
危険物の受入れ前後や設備の巡回時のほか、警報が作動したとき、在庫量に不自然な差が生じたときなどは、関係する設備の状態を確認します。
強い雨の後など、マンホールやプロテクター内へ水が入りやすい状況では、施設の管理手順に従って滞水の有無を確認します。
次のような状態は、計器の故障、設備の損傷、配管やタンクからの漏えいなどによって生じることがあります。
警報や在庫量の差が生じても、直ちに漏えいが原因であるとは限りません。
一方で、異常表示を解除しただけで使用を再開したり、原因が分からないまま使用を続けたりすると、異常の発見が遅れるおそれがあります。
漏えい検知器、配管その他の設備を、一般の設備管理者が分解、調整又は修理することは避け、施設の責任者や専門業者へ連絡してください。
警報、在庫量の差、油の付着、油臭その他の異常が疑われる状態を確認したときは、施設の管理手順に従い、次の対応を行います。
危険物の受入れ、送油その他異常に関係する取扱いを安全に停止する
火気その他の着火源を近づけない
施設の責任者、危険物取扱者又は危険物保安監督者へ連絡する
警報表示、液面、確認時刻及び設備の使用状況を記録する
専門業者へ設備の確認を依頼する
必要に応じて管轄消防本部へ連絡し、対応を確認する
危険物の流出等が発生した場合は、安全を確保しながら流出の継続や拡散を防止するための応急措置を行い、直ちに消防機関へ通報する必要があります。
漏れの疑いがある状態で、一般の設備管理者が配管を取り外したり、タンクや配管へ圧力を加えたりして、漏えい箇所を調べることは避けてください。
日常管理の結果を記録しておくことで、在庫量や設備状態の変化を継続して把握しやすくなります。
記録する主な内容は、次のとおりです。
日常管理の記録方法は、施設に適用される予防規程又は管理要領等に合わせて定めます。
| 設備管理者 | 日常的な状態確認、記録、異常時の取扱い停止及び関係者への連絡 |
|---|---|
| 危険物取扱者・危険物保安監督者 | 施設の保安体制に基づく安全確認、初期対応及び関係者への指示 |
| 専門点検事業者・設備業者 | 漏えい検知設備の機能確認、漏れの点検、原因調査及び修理 |
| 管轄消防本部・消防署 | 消防法令上の判断、施設ごとの管理方法及び事故時の対応に関する確認 |
施設の規模、危険物の種類及び管理体制によって、担当者や連絡方法は異なります。異常が生じたときに連絡が滞らないよう、責任者、危険物取扱者、専門業者及び消防機関の連絡先をあらかじめ整理しておくことが重要です。
日常管理は、設備の変化や異常の兆候を早期に見つけるために行うものです。
日常的に外観、在庫量及び警報を確認していても、法令に基づく定期点検や、専門的な方法によるタンク・地下配管等の漏れの点検に代えることはできません。
法定定期点検及び漏れの点検については、次のセクションで詳しく説明します。
地下タンク貯蔵所は、使用中の日常管理に加えて、消防法令に基づく定期点検の対象となります。
法定定期点検では、地下タンク貯蔵所全体が技術上の基準に適合した状態で維持されているかを点検します。さらに、SF二重殻タンクのFRP外殻や地下埋設配管については、外観だけでは分からない漏れの有無を専門的な方法で調べる点検があります。
日常的に在庫量、警報及び設備周辺の状態を見ていても、法定定期点検や専門的な漏れの点検に代えることはできません。
地下タンク貯蔵所の法定定期点検は、次の二つに分けて考えると分かりやすくなります。
地下タンク貯蔵所の位置、構造及び設備が、消防法令上の技術基準に適合した状態で維持されているかを点検します。
タンク本体だけでなく、注入口、通気管、配管、弁、ポンプ、計器、警報設備、消火設備、標識及び掲示板など、施設を構成する設備が点検対象となります。
地下にあり外観だけでは状態を把握しにくい部分について、法令で定める精度を満たす専門的な方法で漏れの有無を調べます。
SF二重殻タンクではFRP外殻が対象となり、地下埋設配管がある場合は、その配管も別に点検対象となります。
地下タンク貯蔵所の施設全体の定期点検は、原則として1年に1回以上行います。
点検では、設備の外観や作動状態だけでなく、設置許可及び完成検査の内容に沿った状態が保たれているか、補修や変更が適切に行われているかなどを点検します。
点検項目は、総務省消防庁の指導指針に基づく地下タンク貯蔵所の定期点検記録表等を用いて整理します。施設の構造や設置されている設備によって、該当する項目は異なります。
法令に定める常時監視その他の措置が講じられ、市町村長等が保安上支障がないと認めた場合は、一部又は全部の点検項目について別の点検期限が定められることがあります。
ただし、監視機器が設置されていることだけで、自動的に点検周期が延長されるものではありません。対象となる点検項目、監視方法及び点検期限は、管轄消防本部へ照会したうえで取り扱います。
HTOSFは、鋼製内殻の外側をFRP外殻で覆い、その間に乾式の検知層を設けたSF二重殻タンクです。
漏れの点検では、内殻、FRP外殻、検知層、漏えい検知設備及び地下埋設配管を同じ扱いにせず、それぞれの役割と法令上の対象を分けて整理します。
| 対象 | 基本周期 | HTOSFでの取扱い |
|---|---|---|
| 鋼製内殻 | 専門的な漏れの点検から除外 | SF二重殻タンクの内殻は、危険物の規制に関する規則で定める地下貯蔵タンクの専門的な漏れの点検から除かれています。 ただし、施設全体の定期点検、日常の在庫管理、検知層の状態把握及び採用している漏えい検知設備の扱いまで不要になるものではありません。 |
| FRP外殻 | 3年以内ごと | HTOSFのFRP外殻は、原則として3年以内ごとに漏れの点検を行います。 法令には、内殻とFRP外殻の間に漏れを検知するための液体が満たされている場合の除外規定がありますが、HTOSFの検知層は全型式・全仕様で乾式であり、この除外には該当しません。 |
| 地下埋設配管 | 原則1年以内ごと 条件により3年以内ごと | 地下埋設配管の漏れの点検は、原則として1年以内ごとに行います。 ただし、完成検査を受けた日から15年を超えないものは、3年以内ごとです。 点検期限は、完成検査済証の交付を受けた日又は直近に漏れの点検を行った日を基準とします。変更許可に係る完成検査済証を基準とする場合は、当該地下埋設配管の変更許可に係るものに限られます。 また、危険物の漏れを覚知し、その漏えい拡散を防止するための告示で定める措置が講じられているものも、3年以内ごととなります。 危険物の微少な漏れを検知し、その漏えい拡散を防止するための告示で定める措置が講じられている部分は、漏れの点検の対象外となります。 HTOSFに接続する地下配管にはポリエチレン外面被覆鋼管を用いることが多いものの、配管材質、施工方法及び監視設備の有無は案件によって異なります。外面被覆があることだけで点検周期又は点検対象外の条件を満たすものではありません。 |
HTOSFの検知層は乾式ですが、オイルリークモニターはオプション品です。高精度液面計もオプションであり、すべてのHTOSFに同じ監視設備が設置されているわけではありません。
オイルリークモニターは、検知層へ液体が侵入したことを検知する設備です。高精度液面計は、タンク内の液面や在庫量の変化を測定する設備であり、両者は検知する場所と役割が異なります。
漏れの点検の対象外、点検周期の変更又は常時監視の取扱いを判断するときは、実際に採用した機器の型式、機能、性能評価、設置方法及び運用条件を照合します。
オプション機器を備えていることだけで、HTOSF本体、FRP外殻及び地下埋設配管の点検が一律に不要となるものではありません。最終的な取扱いは、機器メーカーの資料を踏まえ、管轄消防本部へ照会して定めます。
| 施設全体の法定定期点検 | 施設全体の法定定期点検は、危険物取扱者又は危険物施設保安員が行います。危険物取扱者が立ち会う場合は、これら以外の者が点検を行うこともできます。 |
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| FRP外殻・地下埋設配管の漏れの点検 | FRP外殻及び地下埋設配管の漏れの点検は、使用する点検方法について必要な知識及び技能を有する者が行います。 |
| 地下タンク等定期点検技術者 | 一般財団法人全国危険物安全協会の地下タンク等定期点検技術者講習を修了した者は、必要な知識及び技能を有する者の代表的な例です。点検を依頼するときは、点検技術者、点検方法、使用機器及び点検対象を整理しておきます。 |
HTOSFの製作範囲は、タンク第1ノズルまでです。タンクと地下配管を分けて点検できる配管構成は、別途現地配管工事で設けます。
実際の点検では、施設の配管構成、危険物の液面、地下水位及び設備の状態に応じて、専門点検事業者が適切な方法を選定します。一般の設備管理者が、配管を切り離したり、タンクや配管へ圧力を加えたりして点検することは避けてください。
法定定期点検を行ったときは、点検記録を作成し、原則として3年間保存します。
法令上、点検記録には、次の基本事項を記載します。
異常又は不具合、補修・使用停止・再点検等の対応、点検した設備及び範囲、次回期限の判断に使用した資料についても、維持管理上の記録として併せて残します。
施設全体の定期点検記録に加えて、FRP外殻や地下埋設配管の漏れの点検結果、使用した方法及び点検範囲が分かる資料を保管します。
点検記録は施設で保存し、立入検査等で求められた場合に提示します。提出又は報告を求める自治体の運用がある場合は、その方法を管轄消防本部へ確認してください。
点検で漏れ、圧力の変化、検知層の異常、配管の不具合その他の異常が見つかった場合は、異常箇所と原因を調べ、必要な補修、使用停止又は再点検を行います。
異常が見つかった状態で危険物の受入れや送油を続けず、施設の責任者、危険物取扱者又は危険物保安監督者へ連絡してください。
危険物の流出等が発生した場合は、安全を確保しながら流出の継続及び拡散を防止するための応急措置を行い、直ちに消防機関へ通報する必要があります。
補修内容によっては、消防法令上の変更許可、届出又は完成検査が必要となる場合があります。補修工事を始める前に、専門業者と工事内容を整理し、必要な手続を管轄消防本部へ照会してください。
点検対象や周期を正しく判断するため、次の資料を整理して専門点検事業者へ提示します。
特に地下埋設配管は、完成検査を受けた日からの経過年数と、漏れを把握する方法及び拡散防止措置によって点検周期が異なります。前回の点検日だけでなく、完成検査を受けた日、完成検査済証の交付日及び配管仕様もそろえておきます。
日常管理は、設備の変化や異常の兆候を早期に見つけるために行います。法定定期点検は、施設の位置、構造及び設備が技術上の基準に適合した状態で維持されているかを、定められた項目に沿って点検するものです。
さらに、HTOSFのFRP外殻及び地下埋設配管は、それぞれの対象、条件及び周期に従って、専門的な漏れの点検を行います。
HTOSFに設置される漏えい監視設備は案件ごとに異なります。完成図書と実際の設備を照合し、危険物取扱者、専門点検事業者及び管轄消防本部と点検内容を整理することが重要です。
在庫量、警報及び設備周辺の変化を継続して見ていきます。
施設全体が技術上の基準に適合した状態で維持されているかを点検します。
FRP外殻と地下埋設配管を、対象と周期に応じて専門的に調べます。
地下タンク貯蔵所は、タンク本体だけでなく、地下配管、漏えい検知設備、液面計、警報設備、注入口、通気管、弁等の複数の設備で構成されています。
これらの設備は、使用年数だけでなく、貯蔵する危険物の性状、使用状況、混入水分、施工状態、地下水や地盤等の周辺環境、点検・補修の履歴によって状態が異なります。
地下にある部分は外観だけでは状態を把握しにくいため、日常管理と定期点検を継続し、機器の表示や過去の記録と照らし合わせながら変化を早く捉えることが重要です。
HTOSFは、鋼製内殻の外側をFRP外殻で覆い、その間に乾式の検知層を設けたSF二重殻タンクです。
鋼製内殻、FRP外殻、検知層及び地下配管にはそれぞれ異なる役割があり、使用条件や周辺環境によって状態が変化する可能性があります。
これらは地下にあるため、通常の外観確認だけで状態を判断することはできません。日常管理で把握した変化と、定期点検及び漏れの点検の結果を組み合わせて状態を確認します。
地下タンク貯蔵所では、タンク本体や地下配管だけでなく、漏えい検知設備、液面計、警報設備、配線、検出部及び接続部等にも経年変化や不具合が生じる可能性があります。
機器の表示が正常であっても、それだけで施設全体に異常がないと判断することはできません。また、警報や異常表示が出た場合も、その表示だけで原因や異常箇所を断定することはできません。
採用されている機器の種類と取扱方法を把握し、通常時の表示、警報履歴及び点検結果を記録しておくことが、変化の早期発見につながります。
なお、HTOSFのオイルリークモニター及び高精度液面計はオプション品であり、設置される機器は案件によって異なります。
注入口、通気管、マンホール、弁、フランジ及びシール部等には、腐食、変形、緩み、浸水又は劣化が生じることがあります。
これらの付属設備は地上から状態を確認できる部分も多く、日常管理の中で変化に気づくことができます。
以前には見られなかった錆、にじみ、変形、浸水、異音又は計器表示の変化がある場合は、原因を決めつけず、関係する設備を分けて調べることが必要です。
HTOSFの検知層は乾式です。
漏えい検知設備の警報や検知層の点検異常は、鋼製内殻からの危険物の漏れだけでなく、FRP外殻側からの水分の侵入、検知設備又は接続部の不具合等によって生じる場合があります。
警報や点検異常だけで原因や漏えい箇所を断定せず、表示を解除しただけで使用を続けることも避けてください。
異常が疑われる場合は、施設の管理手順に従って関係する取扱いを停止し、専門点検事業者へ原因調査を依頼します。
一回の確認結果だけでは、設備状態の変化を判断できないことがあります。
日常管理の記録、在庫量や液面の推移、警報の履歴、定期点検及び漏れの点検結果、機器の修理・交換履歴を継続して残すことで、以前にはなかった変化や、繰り返している異常を把握しやすくなります。
異常が見つかった場合は、タンク本体、検知層、地下配管、計器及び付属設備を分け、一つの兆候だけで原因を決めないことが重要です。
異常の原因や範囲によっては、機器や部品の交換、補修、再点検、使用停止又は設備の更新が必要となる場合があります。
使用を継続できるか、どのような補修や手続が必要かを設備管理者だけで判断せず、危険物取扱者、専門点検事業者及び管轄消防本部と整理してください。
地下タンクの点検で異常が見つかった場合は、異常の原因や範囲、補修の可否、今後の使用計画等を踏まえ、使用継続、補修、更新又は撤去を判断することになります。
直接埋設方式の地下タンクは、新しいタンクへ単純に交換できる設備ではありません。
タンク内の危険物や残留物を取り除き、舗装や鉄筋コンクリート造のふた等を解体したうえで、地下にあるタンクへ到達するまで掘削する必要があります。
更新する場合は、既設タンクの撤去に加え、基礎、固定部、地下配管、注入口、通気管、計器類等についても、新しい設備に合わせて工事範囲を定めます。
工事後には、埋戻し、配管、舗装、外構及び周辺設備等の復旧も必要です。
地下タンクの更新・撤去では、主に次の工事が関係します。
危険物や残留物の除去、洗浄、換気、ガス濃度の測定、設備の切断等は、専門業者が安全管理のもとで行う作業です。
実際の工事範囲と工程は、既設設備の状態、地下水、地盤、周辺の建物や設備、作業スペース等によって異なります。
更新・撤去を計画するときは、設置許可及び変更許可に関する書類、完成検査済証、タンク外形図、据付図、地下配管図、点検記録、異常履歴、補修履歴等を確認します。
現在のHTOSF外形図や据付参考図は、現在の標準的な製品仕様を示す資料です。
古い既設施設では、型式、製作時期、特注仕様、付属機器、地下配管及び施工状態が現在の標準仕様と異なる場合があります。
現在の製品資料だけで更新方法を決めず、既設施設の完成図書と実際の設備を照合することが重要です。
併せて、周辺の建物、道路、擁壁、設備、敷地境界、既設埋設物、重機の進入経路、作業スペース及び撤去物の搬出経路等を確認します。
地下タンクは、タンク本体、基礎、固定部及び地下配管等の多くが地中にあります。
そのため、図面や地上からの調査だけでは、工事方法を確定できない場合があります。
掘削後には、タンクの実際の位置、基礎の形状、固定バンドやアンカーボルトの状態、地下配管の位置と材質、地下水の状況等を現物で確認します。
図面に記載されていない配管や埋設物、図面との位置の違い、固定部の腐食や損傷等が見つかる場合もあります。
その場合は、当初の工事範囲や施工方法を変更することがあります。
既設の基礎、固定部及び地下配管を再使用できるかどうかも、図面上の寸法だけでは判断できません。
新しいタンクの寸法、重量、ノズル位置、固定方法及び浮力条件と照らし合わせ、露出後の状態を確認したうえで判断します。
地下タンクを設置した後に、建物の増築、設備の追加、舗装や外構の変更等が行われることがあります。
その結果、設置時に使用した重機やタンクの搬入経路が使えなくなったり、掘削や撤去に必要な作業スペースを確保できなくなったりする場合があります。
周辺の建物、道路、擁壁、配管、電気設備等への影響も考慮しながら、掘削範囲、重機の配置、タンクの搬出方法及び撤去材の仮置き場所を計画します。
地下水がある場所や周辺地盤への影響が考えられる場所では、山留めや排水を含む施工方法について、設計者及び施工者による確認が必要です。
地下タンクの更新・撤去工事では、危険物の受入れや送油を一定期間停止する必要があります。
非常用発電機、ボイラー、生産設備等への燃料供給を止められない施設では、工事中の供給方法をあらかじめ計画します。
仮設タンクや別の燃料供給設備を使用する場合は、設置場所、容量、配管及び取扱方法を事前に定めます。
指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱う場合は、危険物施設としての許可又は仮貯蔵・仮取扱いの承認等が必要となるため、事前に管轄消防本部・消防署へ相談します。
指定数量未満の場合も、設置場所の火災予防条例による規制や届出の対象となる場合があります。
施設を停止できる期間、工事車両の動線、周辺設備の使用条件等は、工事方法や工期に大きく関係します。
地下タンク貯蔵所のタンク本体、基礎、地下配管、注入口、通気管、計器類等を変更する場合は、工事内容に応じた消防法令上の手続が関係します。
変更内容によっては、変更許可、完成検査前検査、完成検査、工事中の仮使用に関する承認等が必要となる場合があります。
地下タンク貯蔵所を廃止する場合は、消防法に基づく廃止届が必要です。
一方、危険物の取扱いを長期間停止する場合や、休止していた施設を再使用する場合の届出・確認方法は、自治体の規則や運用によって異なります。必要な手続を管轄消防本部・消防署へ確認してください。
既設タンクを撤去することと、危険物施設として地下タンク貯蔵所を廃止することも同じではありません。
工事内容、更新する設備の範囲、工事中の施設運用及び使用再開までの工程を確認し、着工前に設置場所を管轄する消防本部・消防署へ相談してください。
地下タンクを新たに設置するときは、設置工事だけでなく、将来の点検、補修、更新及び撤去についても考えておく必要があります。
タンク上部を将来も掘削できるか、重機やタンクの搬入経路を確保できるか、周辺に建物や設備を追加する予定がないかを確認します。
設置後は、許可関係書類、完成図、地下配管図、点検記録及び補修履歴を保存し、設備の変更内容を図面へ反映しておくことも重要です。
地下タンクと屋外タンクでは、必要となる設置条件、日常の管理方法及び将来の更新・撤去工事が異なります。
どちらか一方がすべての施設に適しているわけではありません。
貯蔵する危険物、必要容量、使用目的、敷地条件、周辺環境、設置後の管理及び将来の工事まで含めて、設置方式を選ぶことが重要です。